【広テレ森アナ】『エモい』が繋ぐ世代問わずの昭和レトロ

 若者に、「エモい」という言葉がほぼ定着したらしい。エモーショナル(感情的・情緒的)からきているそうだが、主に切なさや懐かしさを内包し、心揺さぶられる状況で使用される。「わぁメロンソーダエモい!」と、こういう具合である。

 そんなあの頃の喫茶店に代表される昭和レトロブームの下で、エモいが勢力を伸ばしていったわけだが、ナポリタンが懐かしいはずもない現代の若者たちと、我々おじさんの懐かしさが共有されるのもまた不思議である。世代間ギャップに苦しむ昨今、「おぉ、君たちも分かるのか」と、エモいが間を繋いでくれるのはありがたい。

 中でも、久々にその良さを再認識しているのが「シティーポップ」である。当時ガキんちょの私が、CMや両親の運転する車で聞いていた、山下達郎、サザン、大瀧詠一、ユーミン、竹内まりや、BaBeに大橋純子、松原みきといった面々が今、日本のみならず世界の若者の心を射抜いているらしいのだ。

 おじさんの原風景でいうと、外で遊べない雨の日曜日、数百枚のCDをコレクションする母親が、家で日がな一日かけていた曲たち。湿度高めの部屋で窓向こうの曇天を眺め、なにをするでもなく寝転がったソファに、降り注ぐ電子ドラムやシンセサイザーの音色。あのけだるさというか、漫然と時を過ごす感じは、なんとも「エモい」。

 そういえば、私は夜に書くと、文章がエモくなる傾向を自覚している。もちろん、今は夜。かけている曲は「真夜中のドア」である。

 森 拓磨(もり・たくま)2002年広島テレビ入社。「進めスポーツ元気丸」などスポーツ番組担当を経て現在は月〜金夕方放送「テレビ派」の担当。趣味はゴルフ、スノーボード、落語、写真、海水魚飼育など多数の器用貧乏。スポーツ歴は中学、高校、大学とバスケットボールに打ち込む。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね♡
URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

アフィリエイター初心者です!よろしくお願いします。

目次
閉じる