「コモドドラゴンがイラクの村に襲来」「羊21頭を捕食」という情報がSNS上などで拡散されている。これに対し、静岡県にある動物園「iZoo」園長で爬虫(はちゅう)類専門家として知られる白輪剛史さん(55)は24日、X(旧ツイッター)で「コモドドラゴンではない」との見解を示した。
中東のメディア「964」が21日に「危険で速いトカゲが羊21匹を食べた」とする地元住民の証言を動画とともに報じた。これが日本でも23日にネットニュースで取り上げられ、SNSで拡散された。だが、コモドドラゴン(コモドオオトカゲ)は本来インドネシアが生息地のため、イラクに出現したことを疑問視する見方も出ていた。
白輪さんは自身のXで「画像はイラクとイランに局所的に分布しているVaranus nesteroviを合成しているもの。ただVaranus nesteroviは珍しい」と指摘。さらに「死んだ羊を多少食うならありえるが、捕食はない。元々サバクオオトカゲと考えられていた種類。首の鱗が特徴的」と解説した。
白輪さんは3年前、横浜市のアパートからアミメニシキヘビが逃げ出した際、当時の気温からヘビが遠くに逃げるのは難しいとみて、建物内に潜伏していると予想。現場アパートの屋根裏に潜んでいたヘビを見つけ、捕獲したことで知られる。