この春、芸能人が長く所属した芸能事務所を退所し、独立するケースが相次いでいる。ここ数年、〝独立ドミノ〟ともいえる流れが続く中、それがさらに加速している状況だ。独立するメリットは何か。芸能界の構図が変わりつつあるのか。
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4月1日には、俳優の佐々木蔵之介(56)や佐藤隆太(44)、藤野涼子(24)らの退所が「ケイファクトリー」から発表された。
さらには多部未華子(35)が「ヒラタインターナショナル」からの退所を発表し、黒木華(34)も3月末で「パパドゥ」を退所したことが明らかになった。
「佐々木さんのように、新しい事務所に移るケースもありますが、多くは個人事務所でやっていくことになります。事務所に所属することで、タレントは外的な要因から守られるというメリットがありますが、それ以上に思うように動けないというデメリットもあります。また、SNSを活用することで個人事務所でもこれまでと遜色なく活動できるという点も大きく影響しているでしょう」と週刊誌記者は指摘する。
そうした状況が端的に現れたのが堺雅人(50)だという。堺は2022年に長年所属した「田辺エージェンシー」から独立している。
「もともと堺は、CM業界で引く手あまただったのですが、これまでは事務所側が意識的にCMでの露出を控えていたといわれています。独立後、事務所のハードルがなくなったことで一気にCM出演が増えました」と先の週刊誌記者。
「ただ個人事務所も家族経営になると、運営が困難になる可能性もあるのでもろ刃の剣でもあります」とも。
一方、事務所側の事情で独立が相次ぐケースもある。女優の臼田あさ美(39)と酒井若菜(43)が3日、相次いで「A―Team(エー・チーム)」からの退社を報告した。
「エー・チーム」は1日、休業が発表されたところだった。また「フィット」は3月末に破産したことが報じられたことで、壇蜜(43)や吉木りさ(36)らの身の振り方が注目された。
「壇蜜さんはマネジャーとともに別の事務所に移ります。吉木さんも移籍先を見つけました。ただ、大原がおりさん(48)のようにまだ移籍先が見つかっていないというタレントも少なくありません」とスポーツ紙記者。
そしてこう続ける。
「エー・チームもフィットも、事務所内が一枚岩ではなかったところで動きが取れなくなった形です。所属していた芸能人にとっては不本意な退所騒動となりました。ただ言えることは、コロナ禍を経て、芸能事務所に所属することが安定を意味するわけではないということです。これからはさらに芸能界の構図が変わってくるでしょう」