フジテレビ系「とくダネ!」などの情報番組でキャスターを務めた小倉智昭氏(76)が、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、MCを務めるフリーアナウンサー羽鳥慎一のインタビューを自宅で受ける様子が2日、同番組で放送された。
「羽鳥慎一50の質問」という恒例コーナーで対談が実現。「とくダネ!」で22年間、フジテレビの「朝の顔」としてキャスターを務めた時代、羽鳥がMCを務める番組とはライバル関係にあり、小倉氏は「羽鳥くんをうちに招くのはどうしようかと思った。裏(番組)の人を招くと、フジテレビから仕事がなくなるんじゃないかと思って」と笑わせ、羽鳥が「そんなことないです」と恐縮する場面もあった。
元フジテレビアナウンサーで、「モーニングショー」火曜コメンテーターを務める弁護士の菊間千乃氏から「小倉さんは、いつも何かニュースがあると、わあっとほえていらした。最近いちばん気になる、ほえたいニュースは何ですか」とのビデオメッセージが贈られると、小倉氏は「今は大谷だと思う」と、ドジャース大谷翔平投手(29)の元通訳水原一平氏の違法スポーツ賭博疑惑問題に言及。「大谷って、我々の感覚とは違うと思う。第一線で活躍してあれだけ稼ぐ人は、お金には無頓着な部分があって。口座の毎月のチェックとかしているわけはない」と私見を口にした。
一方、羽鳥から今のテレビ、情報番組をどう見ているか問われると「面白くないよね」とバッサリ。「みんな、人の顔色をうかがいながら(コメントを)言うし、このコメンテーターはこう言うだろうということが分かる。役割が決まりすぎていて。なんだかんだでコンプライアンスとか言い過ぎだよね。使ってはいけない言葉とかさ、そんなのおかしいでしょうと。何も話せなくなる」と、持論を口にした。
羽鳥に「SNSが出てきて…昔はない、我々のような人間が批判されるツールが出てきている。どうしていけばいいですか?」と問われた小倉氏は「おれは絶対、これは炎上するというのは分かっていて踏み込んじゃうから、そら来た、という感じで楽しむところもあるから、みんなに迷惑をかけるけど、それをどうやって乗り切るのか。自分なりに考えて乗り切るとか、逆手にとってもっと炎上させるとか…」と、独自の視点でアドバイスした。
また、テレビが生き残るために必要なことを問われると「情報やニュースだけは生き残っていかなきゃだめだと思うが、ニュースは今みたいに忖度(そんたく)してしまうものが多く、横並びで、みんな同じことを言う。ネットやYouTubeの動きの良さやスピード性に、テレビはかなわなくなっている」とした上で「もっと各局、政治色を持っていいと思うよ」と指摘した。
インタビューのVTR放送後、羽鳥は「静かな淡々とした語り口の中にも、まだギラギラしているな、いうものがあった」と、小倉氏の感想を口にしていた。