東日本大震災から4カ月後に放送されたフジテレビの大型特番。鈴木氏は、「出張したい。被災地に行きたいと言ったんです」と明かした。撮影のロケハンのため、5月ごろに福島に行ったが、「ガイガーカウンター(放射線計測器)を付けて行かなきゃいけなくて。行くんですけど、ピーピー鳴るんですよ」と、身を案じながらの出張だったことを明かした。
驚いたのは、福島の人たちの反応だった。「行った時にめちゃくちゃ怒られたんです。“テレビの人が来てない”って。“仙台とか宮城とか岩手は、すごいタレントが来てるとニュースになってるんだけど、(福島には)全然来てないって”言って。どうせ来ないんだろうという感じで」。県民の思いを肌で感じたことを明かした。
被災地支援活動に積極的だった故・八代亜紀さんは、被災地での片付けなどを申し出たところ、被災者から「そんなことじゃなくて、歌を歌って下さい」と言われ、自らの歌で人々を元気づけたという。鈴木氏はその時の話を聞いたと言い、「“今まで歩けなかったおばあちゃんが、八代さんの歌を聴いて、歩いて涙を流した”って。“エンターテインメントの力はすごいのに、誰も来ない”って話になって、すごい僕ら怒られたんです」と振り返った。
被災地には、香取慎吾(47)草なぎ剛(49)が行くことに。鈴木氏は「慎吾と剛が担当になって、ロケ前に結構行ったよね、福島に。カメラが回ってないところで。2人がみんなとあいさつして、やったんですよ。本番が終わっても、全員とお客さんとあいさつして、写真を撮って。終わって戻ってきた時に、慎吾が剛に、“俺たち、この仕事をしていて良かったね”って言った言葉が忘れられない」と、香取の印象的な言葉を明かした。
香取は「どうしたらいいのかは、分からないよね。分からないけど、動いてみたら、声を掛けてくれたりしたことに、こっちがうれしかったから、そう言ったんじゃないかな?」としみじみ。鈴木氏は「あの時に2人が話したことで、この業界で働いていることの素晴らしさ、ありがたさを感じた時でしたね」と、感慨深げに語った。