伊藤といえば、お笑い界でも屈指の酒好き。事務所の先輩にあたる石田明が「伊藤(のこと)が好きなのは、こんなまだ芸人してるヤツおるんや」と評したように、連日朝まで飲み明かすような破天荒な生き様を貫いている。「たくましいな、と思って」と石田が言うと、「(1年)363日は飲んでるんで」と驚きのデータを披露した。
伊藤の「主戦場」はディープな空間で知られる新宿・歌舞伎町。「あの町は変な人が多いので、おもろいはおもろいですけど…」と言いながら、最近身の上に起きた「悲劇」のエピソードを語り始めた。
伊藤がいつもと同じく夜から朝まで飲み明かし、午前8時頃に馴染みのBARに入ったところ、ほどなくして酔った30代の女性客が入店してきた。ただ、女性の姿を認めたバーテンダーが「ダメだ、お前は。入店拒否にしただろ。帰れ」と拒絶。しばらく押し問答が続いた後、キレた女性はカウンターのボトルをなぎ倒して、さらに罵詈雑言を吐き続けた。
しばらく黙っていた伊藤も、たまらず「仲介」に。「他にも店あるんだから、帰りなよ」と、なだめたものの、「おめえに関係ねえだろ」と返され、少し強い口調で「あんたがいる時点で、もう楽しく飲めなくなってるのよ。悪いけど、帰ってくれ」と続けたら、いきなり頬を殴られたという。
さすがに怒った伊藤が「さすがに警察呼びますわ」と告げると、女性は逃げようとしたため、腕をつかもうとしたら、「触ったら警察呼ぶよ」と、まさかの「反論」にあった。「え、トンチ? どういうこと?」と伊藤が混乱している間に、その酔客は店を出ていった。
「久々にあんなバイオレンスな目にあいました」と伊藤が述懐すると、石田も「すごいな」と、うなるしかなかった。