作家の太宰治(1909〜48年)が描いた肖像画1点が、太宰が長く暮らし、墓がある東京都三鷹市に寄贈された。晩年の太宰を担当した文芸編集者の遺族が所持していた。6月4日から、JR三鷹駅の近くにある「太宰治展示室 三鷹の此の小さい家」で初公開される。
縦33.2センチ、横24センチの板に紫や黄、紺で描かれた油彩画。太宰は友人の画家桜井浜江のアトリエをよく訪ね、即興的に絵を描いたことが知られている。47〜48年頃の制作とみられるが、裏書きがなく、モデルが誰かは不明。
太宰の「人間失格」などを筑摩書房で担当した編集者、石井立の遺品に含まれていた。