新派俳優として活躍した高橋よしこ(本名:高橋慶子)さんが今月24日、老衰のため死去した。85歳だった。葬儀は近親者のみで執り行われた。
高橋さんは1936年11月14日、宮城県出身。俳優座養成所7期生を経て、59年に「劇団新派」に入団し、初代水谷八重子さんに師事、数多くの舞台で活躍した。当たり役には、『女優』(蓮見一枝役)、『明治の雪』(田辺竜子役)、『明日の幸福』(滝政江役)、『鹿鳴館』(定子役)、『ふるあめりかに袖はぬらさじ』(お芳役)、『ある八重子物語』(佐久間たつ子役)などが挙げられる。
舞台にいるだけでその時代の空気を醸し出すことができる貴重な存在とされ、松竹社長賞、国立劇場会長賞、北條秀司賞、新橋演舞場賞などを受賞。昨年8〜9月に東京・新橋演舞場と大阪松竹座で上演された『老後の資金がありません』(神田竹乃役)が最後の舞台となった。