映画監督ノーマン・ジュイソンが死去した。97歳だった。『月の輝く夜に』『夜の大捜査線』『屋根の上のバイオリン弾き』といった作品で知られたジュイソンが20日、自宅で安らかに息を引き取ったことを故人の広報が伝えている。
カナダのトロントで生まれたジュイソンは、アカデミー賞に46回ノミネートされ、12回受賞するなど映画界で華々しいキャリアを築いた。また1999年には、同賞を主催する映画芸術科学アカデミーから功績を讃える特別賞を授与された。
人種差別を含む政治や社会問題に目を向けた作品を手掛けてきたジュイソンは、回顧録『ディス・テリブル・ビジネス・ハズ・ビーン・グッド・トゥ・ミー』の中で「映画が人種差別を扱うたびに、アメリカ人は気まずい思いをする。それでも、向かい合わなければならないことだ。私たちは偏見や不正義に対処しなければ、私たちは何が善で何が悪なのか、何が正しくて何が間違っているのかを決して理解することはできないだろう。私たちは『ほかの人』がどう感じているのかを感じる必要がある」と語っていた。
またキャリアを通し、デンゼル・ワシントンやシドニー・ポワチエなどと仕事をしてきたジュイソンは、人々が身近に感じる映画を作りたいとして「私は人間性を、過ちを犯しがちで、敏感、混乱して、間違った方向に導かれるものの、道を正すことができるものとして描いてきた。無分別で絶え間なく暴力的ではなくてね」「私は人々に私の映画の中で自らを見つけて欲しいと思っている。私は頭を使わないアクション映画を楽しむことはない」とも綴っていた。
ジェイソンは、51年の結婚生活をともにし3人の子供をもうけた妻マーガレット・アン・ディクソンが2004年に他界し、その後2010年にリン・セント・デヴィッドと再婚していた。
(BANG Media International/よろず〜ニュース)