■新鋭・木村監督による恋愛群像劇
同映画は「感動シネマアワード」(2020年)の企画コンペグランプリを受賞した映画「階段の先には踊り場がある」で商業映画デビューを果たした新世代恋愛群像劇の旗手・木村監督の最新作。巧妙に仕掛けられた等身大のセリフの応酬や構成、ちりばめられた映画やサッカーへのオマージュも見どころの恋愛群像劇だ。映画初主演となる莉子は美容室で働く主人公・むっちゃんを、筧はその同僚・グリコを、綱はグリコの元恋人・モーを演じている。
脚本を読んだ感想や役作りについて、莉子が「セリフが長過ぎて、覚えるだけでいっぱいいっぱいだったので、役作りらしい役作りはあまりやってこなかったですね」と話すと、筧も「とにかく(脚本の)文字の量が見たことがないくらいすごくて。思わず『人間 暗記量 限界』で検索するぐらい(笑)」と同調。
綱も同様に「すごかったね。セリフの量がハンパなくて…」と続け、「でも、人間やればできるんだなと。頑張れば全然余裕で覚えられたので、そこは自分のキャパの限界はないんだなというのを知れた」と、綱の“暗記量”に限界はなかったことを明かす。
また、綱は「僕はオーディションだったんですけど、オーディションの時から『もうちょっとキモく演じてくれ』と監督から言われていて(笑)。現場に入ってからは意外と監督から細かく指示はなかったので、これでいいのかな?って自信を持って演じることができました」と振り返った。
■莉子、監督に「あんなに私たち頑張ったのに!」
出演者陣がそろって膨大なセリフ量について触れたが、中でも莉子と綱は本編で半分以上カットされて5分ほどに編集されているものの、実際は一連で12分ほどワンカット撮影したシーンもあったという。この件について、莉子は「何度でも言いますけどあそこをカットしたのは…。『あんなに私たち頑張ったのに!』って(笑)」と木村監督にクレームをこぼせば、綱も「本当に一番大変だった」と苦笑い。
それを受け、慌てて木村監督が後日“ノーカット版”が何らかの形で見られるかも知れないと発表していた。
映画「違う惑星の変な恋人」は1月26日(金)に東京・新宿武蔵野館、UPLINK 吉祥寺ほか全国順次公開。
◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)