「文春の一人勝ちの可能性も」 性加害報道の松本人志、裁判の“意外な行方”と「引退の可能性」

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司法の判断は…

 昨年末の「週刊文春」特集記事に端を発した松本人志(60)を巡る騒動は、いまだ収まる気配がない。性加害を訴える女性らの声を報じる文春に対し、松本側は裁判に専念するとして活動休止を表明。裁判の行方、そして引退の可能性は――。

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 昨年末に発売された「週刊文春」は、9年前にお笑いコンビ「ダウンタウン」の松本から、都内の高級ホテルで性的な被害を受けたとする女性の証言を掲載。

 渦中の松本だが、まず所属事務所である吉本興業が、先月27日に当該事実は一切ないとして、文春側に〈法的措置を検討していく〉とのコメントを発表。年が明けて8日には、松本は法廷闘争のため「芸能活動を休止する」とした。

 同じ日、当の松本も自身の公式SNSで〈事実無根なので闘いまーす〉とつぶやき、13日には疑惑の飲み会をセッティングしたとされるお笑いコンビ「スピードワゴン」の小沢一敬(50)も、活動自粛を表明したのである。

 年をまたいでも文春は、お笑いタレント・たむらけんじ(50)ら後輩芸人が松本に女性をあっせんする形で開いた飲み会で、性的関係を迫られたとする女性の証言を再び世に問うているが、松本は裁判で争うとして、会見など公の場で詳細な反論を行っていない。

 ゆえに今後、松本が原告で文春が被告となる裁判に注目が集まることは必至だが、司法はどのような判断を下すのか。

文春だけが“一人勝ち”

 いざ裁判となれば、松本は文春報道で自身の名誉が傷つけられ社会的評価が低下した、つまりは「名誉毀損(きそん)」であると民事裁判に訴えるのが一般的という。

 その際、どこまでの範囲を〈事実無根〉と主張するのかは未知数だが、性的被害を全否定するなら“あの晩は女性と同意の上で過ごした”と反論することも想定される。ゆえに男女の間に「同意」があったのかが争点となりそうだが、話はそう単純ではないという。

 性犯罪やセクハラ問題に詳しく、犯罪被害者支援にも取り組む弁護士の上谷さくら氏に聞くと、

「性的被害があったのかどうかを当事者間で争う裁判であれば、法廷ではストレートに『同意の有無』が争点になってきますが、あくまで今回は報道した側、文春が記事で松本さんの名誉を毀損したかどうかの裁判です。そのため性被害の認定が曖昧なまま、文春だけが“一人勝ち”する可能性もあり得ると思います」

“一人勝ち”とはどういうことか。今回のように双方の証言が真っ向からぶつかると、性的行為における合意の有無は当人同士にしかわからないことも多く、

「仮に証拠が足りないとなれば、裁判所も事実認定が難しい」(同)

 そうした事態になった場合、性的行為の事実関係はどっちつかずのまま文春の主張を認める判決が出る可能性も考えられるのだという。

千鳥を代役にして収録

 裁判ともなれば、一審だけで最低2年、判決に納得がいかず控訴・上告となって、最高裁までもつれたとすれば、5年はかかると予想する識者もいる。

 大物芸人が突然、テレビから消えて思い出されるのは、松本が尊敬する島田紳助(67)が、自らのスキャンダルを理由に芸能界を引退した一件である。お笑い評論家のラリー遠田氏によれば、

「若い頃から仕事にストレスを感じていた松本さんは、“いつ辞めてもいいと思っている”などとたびたび口にしていました。ただ、紳助さんが抜けた後のM-1グランプリを託されて、後輩芸人の活躍を支えお笑い界を盛り上げようという使命感を持っていたのではないでしょうか。辞めたくても辞められないという思いで、これまで続けていた部分はあったと思います」

 かつて松本は自著の中で、芸人はアスリートと同じく引退する時が来るとして“40歳がピーク”と語っていたし、5年前には笑福亭鶴瓶(72)との対談で、辞めたいと何年も前から思っていることを明かした。

 何かと自己規制が増えたテレビ界にも嫌気がさしていた最中のスキャンダル。存分に活動ができなくなった今、裁判の行方次第では“紳助流”の引退が、現実味を帯びつつある。1月18日発売の「週刊新潮」では、報じられている女性からの「お礼LINE」が裁判に与える影響や、過去の「スキャンダル芸能人」との違いなどについて、5ページにわたって詳報する。

「週刊新潮」2024年1月25日号 掲載

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