米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーはロサンゼルスで28日(日本時間29日)、同賞授賞式で米俳優のウィル・スミスがプレゼンターを務めたコメディアン、クリス・ロックを平手打ちした問題について緊急オンライン会議を開き、30日に理事会の全体会合を招集することを決めた。米芸能誌「ハリウッド・リポーター」が伝えた。
オンライン会議では、同アカデミーの役員らが「正式な調査を開始した」との声明を出し、授賞式で起きた前代未聞の暴力行為についてスミスを非難した。また、「アカデミーの内規や行動規範、またカリフォルニア州法に照らし合わせ、必要な措置を取る」と明言した。
理事会は毎年アカデミー賞授賞式後に召集され、授賞式を振り返って問題点や改善点について話し合う機会となるが、今回のように式典後すぐに行われたことはないという。同誌はスミスに対する何らかの処分が下される見込みとして、「おそらくアカデミー会員資格の停止になる模様だが、会員の中には(今回獲得した)主演男優賞のはく奪を求める声も出ている」と推測している。
だが、理事の一人で米女優ウーピー・ゴールドバーグは28日同誌に、「われわれは彼のオスカーを取り上げるつもりはない。(暴力行為には)責任が生じることは確かだが、そういう処分ではない」と語った。
授賞式では、壇上のプレゼンターのロックが客席にいたスミスの妻ジェイダ・ピンケット・スミスのボーズヘアをネタにしたことからスミスが激怒。おもむろにステージに上がり、平手を一発見舞った。ジェイダは脱毛症に悩まされているという。