将棋の第37期竜王戦1組ランキング戦が8日、大阪・関西将棋会館であり、菅井竜也八段(31)が斎藤慎太郎八段(30)に132手で勝利した。菅井は10月30日に敗れたのを最後に連勝を7に伸ばした(未放映のテレビ対局は除く)。
戦型は後手菅井の三間飛車。菅井が美濃囲い、斎藤は銀冠とより堅陣を敷いたが、先に馬、そしてと金を作って菅井が先行した。
夕食休憩以降、攻勢に出た斎藤が菅井陣を削り、盤上にある金銀8枚中7枚を手中にする優勢を築いたが、1分将棋の中、詰めを誤ったようだ。最後は菅井が即詰みに斎藤王を討ち取った。
「少し作戦負けかと思った。うまいタイミングで仕掛けられて実戦的にも一気にまずくなる将棋で、自信はなかった」。接戦を振り返った菅井は夕食休憩明け、敵陣へ飛車獲りに打ち込んだ52手目の角打ちを分岐点に挙げた。「(自陣が)堅いのでまだまだ大変と期待したが…。終盤いろいろあった気はするが勝ちを見つけられなかった」と斎藤は回想した。
菅井は来年1月7日開幕の第73期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)で藤井聡太王将(21)=8冠=への挑戦を決めている。相手の戦型選択を受け入れるスタイル、そして終盤の強さ。藤井将棋と共通点がある斎藤とは15日にもA級順位戦、そして12日には朝日杯で午前中の対局にお互い勝てば午後に対戦することが決まっている。8日間で最大3局の可能性があり、年明けからの7番勝負へ生かす意味でも重要な戦いが続いている。
菅井は次戦で伊藤匠七段(21)と対戦、斎藤は5位出場者決定戦へ回る。