滋賀県大津市在住の直木賞作家今村翔吾氏(39)が30日、琵琶湖の水位の急速な低下を懸念するコメントを公式X(旧ツイッター)でポストした。
同日午前6時の時点で琵琶湖の水位は標準水位より67センチ低くなった。滋賀県は27日に情報を集約するための会議を設置している。
今村氏は「琵琶湖の水位が今日で標準より−67cmに。普段は船が必要なのに、徒歩で行けてしまう島も出てきました。単純に水が不足するという以外にも、実はいろいろな問題が生じる可能性があります。例えば、『冬の環流』が鈍る可能性。琵琶湖には流れがあり、表面と底の対流もあります。これによって底に酸素が送り込まれるわけです。しかし、これがうまくいかないと魚が育たず、漁業に影響を及ぼすということも」と漁業に及ぼす懸念点を指摘。さらに、「他には気温の変化。夏場は琵琶湖の水は大気に比べて上昇しにくいことで気温を減少させ、冬場は反対に熱が逃げにくいので上昇させる効果があります。特に大津や彦根などの琵琶湖近くの町では顕著。彦根などになると豪雪の理由の1つになり得ます。滋賀県は琵琶湖の恵みを受けている一方、その変化によって他にもさまざまな影響を受けます。来週にはまとまった雨が降りそうですが、それだけでは回復しないようです。年末年始に取水制限になれば困る方は多いかもしれませんので、今のうちから意識して節水したほうがよいかもしれません」と緊急事態に警鐘を鳴らしている。
滋賀に移り住んで15年の今村氏は「その理由の大きな1つが琵琶湖の存在です。文化の伝播(でんぱん)、物流において、琵琶湖は歴史的にも大きな役割を果たして来ました」と“琵琶湖愛”を語っていた。