■『翔んで埼玉』最新作が関西エリアでも大旋風!
『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』の週末3日間の観客動員数は29万2390人、興行収入は4億1546万4010円を記録。勤労感謝の日の祝日だった公開初日を含めると、4日間で動員44万4546人、興収6億2961万6310円となる。
「パタリロ!」などで知られるギャグ漫画家の魔夜峰央がおよそ40年前に埼玉県所沢市に住んでいた際に憂さ晴らしとして描きはじめ、未完のまま終わった伝説のマンガ「翔んで埼玉」は、2010年代に入ってから「月曜から夜ふかし」で紹介されたことをきっかけにSNS上で話題を集め、まさかの復刊。そこからとんとん拍子で一気に実写映画化へと漕ぎ着けることとなった。
先述の通り大ヒットを記録した前作は、第62回ブルーリボン賞作品賞をはじめ、第43回日本アカデミー賞では最優秀監督賞など3つの最優秀賞を獲得し、優秀作品賞を含む12の優秀賞を受賞するなどコメディ映画としては異例の高評価を獲得。ひいては海外の映画祭でも賞に輝くなど大旋風を巻き起こした。
実に4年ぶりの続編となった今作では、原作にないオリジナルのストーリーが展開する。GACKT演じる麻実麗と二階堂ふみ演じる壇ノ浦百美をはじめとした“埼玉解放戦線”の活躍で平穏な日常を手に入れた埼玉県人。さらなる自由と平和を求め、彼らは次なる野望として“海無し県”である埼玉に海を作ることを計画。はるばる関西まで遠征に行くのだが、それによって全国を巻き込む大事件へと発展していく。
前作の公開時にはMOVIXさいたまやユナイテッド・シネマ浦和といった埼玉県内の主要映画館が“聖地”と化したが、その熱狂ぶりは今作でも継続。埼玉県内での成績だけ見ると、11月23日の初日の動員&興収は前作の公開2日目(土曜日)対比154%。また、新たに映画の舞台となった関西エリア(2府4県)では同対比330.1%と爆増しており、その効果で全国的にも同164.5%と“翔んで埼玉旋風”が急拡大。
ちなみに、毎年「ブランド総合研究所」が発表している「都道府県魅力度ランキング」で万年下位に甘んじている埼玉県だが、前作の公開後の2020年の同調査では2009年以降で最高の38位に上昇。以後の近3年は45位まで下降しているものの、今作を機に来年は再上昇なるか。一方、埼玉県に抜かれたことはないものの、30位台を行ったり来たりしている滋賀県も、その効果に期待が持てそう。この流れで3作目が作られるとしたら、やはり埼玉県と常に下位争いを繰り広げている佐賀県だろうか。
■『首』『ロスト・フライト』など3作品も初登場!
ふたたびランキングに戻ると、公開4週目にして2位となった『ゴジラ-1.0』は週末3日間で動員18万5500人、興収2億9200万円とまだまだ粘り強い興行を続けている。累計成績では動員223万人、興収34億5600万円を突破しており、動員数でもまもなく『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(01)に届きそうだ。
新作はほかに3作品がランクイン。北野武監督が『アウトレイジ 最終章』(17)以来6年ぶりにメガホンをとり、構想30年をかけて“本能寺の変”を描いた『首』(公開中)は3位に初登場。週末3日間で動員17万5200人、興収2億6100万円を記録し、初日から4日間では動員26万3000人、興収3億9500万円となっている。
また、ジェラルド・バトラーが主演を務めたサバイバルアクション『ロスト・フライト』(公開中)は8位スタート。1985年の発売以来世代をこえて愛され続けてきたドールハウス&人形「シルバニアファミリー」を3DCGアニメ化した『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』(公開中)は10位にランクインしている。
以下は、1〜10位までのランキング(11月24日〜11月26日)
1位『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』
2位『ゴジラ-1.0』
3位『首』
4位『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
5位『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』
6位『マーベルズ』
7位『法廷遊戯』
8位『ロスト・フライト』
9位『ミステリと言う勿れ』
10位『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』
今週末は、第17回「このミステリーがすごい!大賞」受賞作を三池崇史監督と亀梨和也のタッグで映画化した『怪物の木こり』(12月1日公開)、1970年代に全世界にオカルトブームを巻き起こした伝説的ホラー映画の正統続編『エクソシスト 信じる者』(12月1日公開)などが公開を控えている。
文/久保田 和馬