NHK会長 紅白の人権尊重ガイドラインに言及 旧ジャニ問題に触れ「所属事務所の人権尊重を考慮」

 NHKは15日、東京・渋谷の同局で定例会見を行い、大みそか「第74回NHK紅白歌合戦」(後7・20)の制作にあたり発表した「人権尊重ガイドライン」について説明した。

 紅白の公式サイトで13日、「NHKは『第74回NHK紅白歌合戦』の制作にあたっては、下記のガイドラインを順守します」とし、「人権、人格を尊重する制作現場を目指す」「人種、民族、国籍、障害、政治的思想、性別、年齢、ジェンダーなどの差別を認めない」「強制労働な人権を侵害する労働慣行は認めない」「子どもの人権を尊重し、児童労働や児童虐待を認めない」などといった7項目の指針を示した。

 SMILE−UP.(旧ジャニーズ事務所)の故ジャニー喜多川元社長による少年たちへの性加害問題が問題化。NHK局内でも元社長による性加害が証言で明らかになっていた。

 稲葉延雄会長は「起用にあたっては番組の演出に合わせて選定してきたが、今回の問題を契機に、所属事務所の人権尊重というのを考慮する。その一歩として、紅白に出場するガイドラインを策定した」と説明。「紅白に限らず、今後は人権に考慮する方針なのは変わりない。今回の紅白のガイドラインを土台にして(他の番組等でもガイドラインを決めて)いきたい」と述べた。

 NHKは13日に今回の紅白の出場歌手を発表。同事務所所属アーティストの名前はなかった。制作統括の大塚信広チーフプロデューサー(CP)は「今回の紅白の出場者選考において、新規の出演依頼にあたるため、旧ジャニーズ事務所による被害者への補償や再発防止への取り組みが着実に実施されていることを確認されるまで、当面、新規の出演依頼は行わないという、NHKの全体方針に進めた結果」と説明。追加発表の可能性については「NHK全体方針に沿って、新規の出演依頼が問題ないと判断し際にはその時点に適切に判断していく」としていた。

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