登山家の野口健さんが10日、自身のX(旧ツイッター)に新規投稿。イスラエル軍が地上侵攻したパレスチナ自治区ガザ北部でのイスラム組織ハマスとの戦闘について、「このまま、戦い続けてもどちらにも『勝利』はない」と私見をつづった。
野口さんは「ハマス人質240人超、停戦『交渉材料』に利用…イスラエル『人質解放のない停戦はない』と拒否」の見出し記事を添付。そのうえで「『テロリストとは交渉しない』というの大原則であり、建前でもある。邦人が海外でテロリストに拘束された際に日本政府が身代金を支払ったケースもあったとか」と書き出し、「ただ、それを公にすれば、新たなテロを呼び込んでしまうと。240人もの人質を取られたイスラエルは極めて難しい立場に立たされている」と現状を説明した。
「大原則を貫けば、一切、ハマスらとは交渉しないという事になる。人命を優先し人質をカードに持つハマスと交渉すれば…これからも誘拐は有効な手段としてこれから繰り返される」としながらも、「だからといって240人もの命を『見捨てる』というカードも切れない。イスラエル軍による救出作戦によって人質の解放を試みるしかないのか。しかし、相当数の犠牲を覚悟しなければならない」と状況を憂えた。
そして「もう互いに血を流し過ぎた。このまま、戦い続けてもどちらにも『勝利』はない」とつづり、「もはや、勝ちを目的とするのではなく、戦い続ける事が双方にとっての目標になっているとさえ感じてしまう」と指摘した。「特にイスラエルは建国以来、一環として戦争の歴史でもある。戦わない限りイスラエルという国家は維持されないと。中東諸国との戦いからテロリスト集団との戦いに代わっただけ。そのテロリスト集団のバックには大国の存在も見え隠れし。そういう環境で生き延びてきたイスラエルは我々とはまた違うベクトルでジャッジするのだろう…」と分析した。