■「ゆりあ先生の赤い糸」を紹介
同ドラマは、2023年の「第27回手塚治虫文化賞」で頂点となる「マンガ大賞」に輝いた入江喜和の「ゆりあ先生の赤い糸」(講談社)が原作。夫の介護、愛人との同居、嫁しゅうとめ問題などを痛快に乗り越える、かつてない地味でタフで明るい、平凡な“主婦ヒロイン”の姿を描く。
■「ゆりあ先生の赤い糸」第3話を振り返る
伊沢ゆりあは、いまだ昏睡(こんすい)状態にあり、回復のめどが立たない夫・伊沢吾良(田中哲司)の“彼氏”箭内稟久(鈴鹿央士)と“彼女”小山田みちるに向かって、3年を一区切りに同居しながら自宅介護を手伝ってほしいと切りだす。
みちるへの敵対心をあらわにする稟久は断固拒否し、伊沢家への出入りを断念する。しかし、その直後、稟久から別れのキスを受けた吾良が突然目を開け、涙を流したのだ。心が揺らいだ稟久は、同居については一旦保留にするも、引き続き介護のため伊沢家へ通うことを決める。
一方、経済的に困窮していたみちるは、吾良の“隠し子”かもしれない小山田まに(白山乃愛)と小山田みのん(田村海夏)とともに、伊沢家で本格的な同居を開始。ところが、ゆりあがわずかな希望を託して始めた“新しい生活”は、想像以上にさまざまな感情がもつれ合っていく。
みちる親子との同居には義母・伊沢節子(三田佳子)も義妹・伊沢志生里(宮澤エマ)も懐疑的。稟久とみちるの仲も相変わらず険悪で、一向に歩み寄る気配がなかった。そんな七転八倒な日々の中、ゆりあ自身の生活にも新たな変化が訪れる。
自宅介護用の改装で世話になった若き便利屋で、ゆりあと同じ名前の幼き息子・伴優里亜(佐藤大空)をワンオペで育てる子煩悩な父でもある伴優弥に、刺しゅうを教えることになった。優里亜とも対面し、心がほぐれるゆりあ。ところが、優弥がふと発した“ある言葉”に、ゆりあの心は人知れずモヤモヤする。
■稟久に負けないみちるの強さ
「3年を一区切りに同居しながら自宅介護を手伝ってほしい」と、ゆりあから提案されたみちるはとても驚いていた。その一方で、みちるは、どこかうれしそうにその提案を受け入れ、みちるとその子どもたちは伊沢家に住むことになる。
どうしてもみちるを受け入れられない稟久が、敵対心をあらわにする。稟久にみのんの父親は誰かと聞かれたみちるは、答えたくないと返す。
さらに、初めて会ったあなたになぜ話さなければならないのかと問い、続けて、あなたもただの愛人ではないのかと、笑顔で現実を突き付けるみちる。
本来であれば、失礼な態度を取る稟久に感情的になってもおかしくない。でも、みちるはただ冷静に稟久をあおり、いつもの笑顔も崩さなかった。そこに、みちるの人としての強さを感じた。
■みちるは別の好きな人がいると発言
みちるはかわいい。しかし、怪しい行動も多かった。稟久と激しいトークバトルを繰り広げた後、2階に上がり、にんまりと笑顔を浮かべたみちる。その笑顔に、何か裏があるのではないかと思ってしまった人もいただろう。
また、みちるは同居を拒否する稟久を挑発するように、吾良のことは心配しないでと告げる。けげんな顔をする稟久に、自分には、“好きな人”がいるので安心してほしいとほほ笑み、稟久をイライラさせた。
みちるは稟久をあおったり、わざとイラつかせることが多いが、ゆりあには一切そういったことをしたことがない。その理由を考えても分からないが、ただ一つ確かなことは、みちるにとってゆりあは攻撃すべき対象でないということだった。
■みちるはゆりあの背中を押す
伴に刺しゅうを教えるため、伴とファミレスへ出掛けることになったゆりあ。どこか浮かれた様子のゆりあに、最初に気が付いたのは、みちるだった。
みちるは、ティッシュをもらいに、ゆりあの部屋に訪れる。その時、ゆりあがメークに苦戦していると感づいたみちるは、メークを手伝うことを自然に提案。みちるはアイシャドウは色を組み合わせることが多いことやマスカラのだまに塗りにくい方法など、さまざまなテクニックを伝授。
みちるはゆりあを一度も馬鹿にすることなかったし、乙女のような表情を浮かべるゆりあとともにウキウキしていた。これまで怪しさ満載だったみちるが、ゆりあの恋心を後押しするような姿に、X(旧Twitter)では、「あなたが天使でしたか」「みちるしか勝たん」「私も教わりたい」「かわいい」というコメントが寄せられた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部