饗庭蒼一郎(菊池)と百目鬼華子(山田)は、みゆきの市役所納税課の職員で、滞納されている税金を納めてもらう仕事を担う“徴税吏員”のバディ。税金をただ取り立てるのではなく、“払えないワケ”を抱えた市民の事情に寄り添って、救う方法を模索していく。滞納者の「お金と心」に寄り添う徴税吏員の姿をスリリングに描くヒューマンエンターテインメントドラマとなっている。
第5話で饗庭の先輩・加茂原(鈴木もぐら)は、行きつけの銭湯で仲良くなったベトナム人・グエン(葵揚)の力になろうとする。農業の特定技能ビザで2年前に来日しているグエンは、国民健康保険税の納め方がわからなくて滞納してしまっているのだ。加茂原は「今度、市役所に来てよ。ゆっくり教える」と伝える。
饗庭は近所のスーパーで華子とばったり鉢合わせる。値段の安い野菜を買おうとする華子に饗庭は、みゆきの市の農家・いくしま農園が作る高価なオーガニック野菜をすすめる。すると、レジの方で「さっさとしろよ!」と男性客の怒鳴り声が聞こえる。日本語がわからないベトナム人店員にクレームをつけているよう。華子はすっかり委縮してしまっているその女性店員・フア(フォン・L)を気の毒に思う。
翌日、第三係の窓口にグエンが納付の相談にやって来て、加茂原はひと安心。しかし、饗庭たちが調べてみると、グエンは国保税だけでなく住民税も納めていなかったことが判明する。住民登録されてはいるものの、所得がわからなかったため、市から納付を案内できていなかった。改めて納付の仕方を説明する饗庭たち。すると、グエンは突然思い出したように、「住民税は、農家さんが払っていると思います。契約の時、約束しました」と、住民税は給料から天引きされる契約のはずだと主張。しかし、実際に納められた記録はない。
饗庭と華子はグエンが働く、いくしま農園を訪ねる。農園の代表・生嶋妙子(大島さと子)は元々夫婦で農園を営んでいたが、2年前に夫を亡くしてからは日本に来た外国人を雇って切り盛りしている。饗庭が事情を説明すると、生嶋は、住民税はグエン自身で払う契約になっていて、天引きなんかしていないと言う。契約書にもグエンのサインがあり、饗庭たちはグエンの勘違いとして事態を収めようとする。
しかし、グエンと同じように、給料から天引きされているはずの住民税が未納のままになっているベトナム人女性・チュン(ジョージアナ)が相談にやって来る。うそをついているのは一体誰なのか。厳しい環境で働く彼らを守るため、第三係が農園に潜入調査し、真相を暴く。