磯村勇斗 学生たちの鋭い質問に驚き「感度の高さに心強さを抱いた」 映画「正欲」学生限定試写会に登壇

磯村勇斗 学生たちの鋭い質問に驚き「感度の高さに心強さを抱いた」 映画「正欲」学生限定試写会に登壇

映画「正欲」学生限定試写会に登壇し、学生たちからの質問に答えた磯村勇斗

(よろず~ニュース)

 小説「桐島、部活やめるってよ」「何者」など、現代の若者をリアルに描き人気を集めている小説家の朝井リョウが、2021年3月に発表した長編小説「正欲」が映画化された。発行部数は38万部(2023年7月時点)を突破し「第34回 柴田錬三郎賞」を受賞。多くの読者に「これまでの価値観が覆された」と言わしめた衝撃作だ。

 〝自分〟という生き物に、さまざまな思いを抱えて生きる5人の男女、劇中序盤では何の関係もなかったはずが、後半に進むにつれ少しずつ交差し合っていく。

 人々の想像を超えた秘密に、観客は何を思うのか。

 11月10日の公開を控えた11月2日、高校生以上を対象とした学生限定特別試写会が行われた。上演後、新垣結衣演じる桐生夏月の同級生、佐々木佳道を演じた磯村勇斗が登壇し、SNSで事前募集していた質問に加え、「正欲」をまさに今鑑賞し終えた学生たちからの質問に直接答えた。

 まずは「第36回 東京国際映画祭」コンペティション部門で、「正欲」が観客賞と最優秀監督賞をダブル受賞したことが発表され、大きな拍手が起こった。これについて磯村は「監督賞イコール作品賞だと僕は思いますし、何より観客賞をいただけたことが一番うれしいです、作品に出演する上で、観客の声が大切なものじゃないですか」と喜びを語った。

 メガホンを取った岸善行監督には、ニュースを聞いてすぐに祝福メッセージを送ったものの、返事は翌日早朝だったと言い「爆睡してたそうです(笑)」と笑いを誘った。

そしていよいよQ&Aが開始された。

<以下、Q&A(抜粋)>

ー「正欲」で、佳道は世の中での生きづらさに苦しみますが、磯村さんに「自分にこんな感情があったんだ」と驚いたことはありますか?

磯村「僕は元々一人で過ごすのが好きなタイプで、誘いもよく断るタイプだったんです。でも最近、人が恋しくなりました。そんな感情これまでなかったので、びっくりしましたね。自分にしては、結構な頻度で友人に会っています」

ー学生時代に「会っていたかったな」と思うような人はいますか?

磯村「僕は友人にかなり恵まれてきましたが、ドラマに登場するような、いわゆる〝熱血教師〟のような、生徒に寄り添ってくれる先生に出会えなかったんですよ。それはちょっと会ってみたかった願望がありますね。気を許せる先生がいたら、また違う価値観が生まれたり、学校生活も変わっていたかもなと思います。とはいえ、今の人生には満足していますけどね」

ー「正欲」での磯村さん演じる佳道は、あるものを欲の対象としていますが、磯村さんの職業はある種欲の対象だと思うんです。そんな俳優という仕事に対して、思うことはありますか?

磯村「僕はこの表現は嫌いなんですが、芸能人はよく〝商品〟と言われるんですよね。結局消費されるものだし、仕方のないことなのでそこは割り切っています。でもだからこそ、商品という言葉を生かすとするなら〝ちょっとフレーバーを変えつつ、長く愛される商品〟でありたいですね。消費される生き物である限り、ゼロにはさせないぞという思いで俳優をやっています」

ー撮影で一番印象に残っているシーン、楽しかったシーンを教えてください。

磯村「夏月とのシーンでなかなかカットがかからなくて、ヒヤヒヤしながら演じたことですかね。岸監督はカットをかけない方とは知っていたのですが、思いもよらぬ場面だったので油断してました(笑)」

ー磯村さんがこれまでかけられて、うれしかった言葉があったら教えてください

磯村「映画『ヤクザと家族 The Family』に出演した時、藤井道人監督から『監督と役者は夫婦だ』と言われたんです。その言葉がとても心に残っています。夫婦だからこそぶつかることもあるし、夫婦だからこそ理解し合える関係だから、そうやって一緒に歩んで行きたいと言われて、ふと肩の荷が下りたんですよね。ただ、言われたことを演じるということだけじゃなくて、現場全員が対等に話し合って作品作りをしていこうよという考えは、とてもすてきだなと思いました」

ー「正欲」の内容にちなんで、磯村さんは何フェチですか?

磯村「僕は香りが好きです、嗅覚がものすごく鋭いんですよ。町中のふとしたコーヒーの匂いとか、料理の匂いだけで、地図を見ずにたどり着けます(笑)。それくらい匂いに敏感です」

 ぶっつけ本番で受けた数々の質問に磯村は「皆さん、学生さんとは思えないくらい深くて鋭い質問でしたね(笑)」と驚くほど、質問一つ一つに真剣に悩み、真摯に返答する姿が印象的だった。

 最後に磯村は「学生さんたちに、大人の世代とは違った感覚で『正欲』を観てもらえたんだなということが実感できました。とても感度が高くて、僕らよりもっと世の中にアンテナを張って生きているんだなと、今後の日本を背負っていく皆さんを見て、心強いと感じました」と来場者に伝え、イベントを締めた。

「正欲」
11月10日(金)より全国公開
稲垣吾郎 新垣結衣 磯村勇斗 佐藤寛太 東野絢香

監督:岸善幸 脚本:港岳彦
原作:朝井リョウ『正欲』(新潮文庫刊)
制作:murmur
製作プロダクション:テレビマンユニオン
配給:ビターズ・エンド
©2021朝井リョウ/新潮社 ©2023「正欲」製作委員会

(よろず〜ニュース・椎 美雪)

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