歌舞伎俳優の市川團十郎(45)が11日、東京都内で京都・南座の12月公演「吉例顔見世興行」取材会を開催。今年の同公演は「十三代目市川團十郎白猿襲名披露、八代目市川新之助初舞台」と銘打ち上演。昨年の襲名興行スタートからまもなく1年を迎え「ちょっと慣れてきました」と現在の心境も明かした。
昼の部では長男の市川新之助(10)が「外郎売」で主演するほか、團十郎と長女の市川ぼたん(12)が親子共演する「男伊達花廓」、團十郎が主演の「景清」を披露。夜の部では襲名披露口上のほか、團十郎が「助六由縁江戸桜」で主演を務める。
團十郎は「よく街を歩いていると『海老蔵さん』『いえ、團十郎です』という会話ができるようになってきた。團十郎としてお店を予約したり。歌舞伎の中での團十郎という重みは子どものころから認識している。そういう部分ではまだまだなりきれてない部分はあると思うけど、徐々に(慣れて)きてるのかなと思う」と話した。
歌舞伎座に続き博多座でも披露した新之助の「外郎売」について團十郎は「比べものにならないほど成長した」と見どころをアピール。歌舞伎座の10月公演で女優の寺島しのぶ(50)が悲願のデビューを果たし、ぼたんら女性の歌舞伎進出に追い風になるのか問われると、團十郎は女形で生計を立てている俳優らの存在にも触れながら「そんなに甘くない気がしている」と慎重な考えを示した。
9月13日に亡くなった市川猿翁さんについて團十郎は不思議な体験を明かし「僕は9月15日に知った。13日は博多座で『暫』をやっていた時、たまたまおじさん(猿翁)のことを思い出した。なんで?と思ったが2日後に旅立ったのを聞いて見に来てくれたのかなと。非常にご縁のあるおじさんで旅立たれたことは非常に悲しく思ってます」と追悼した。
公演は12月1日から24日まで。