ウクライナの国民的歌手であるチーナ・カーロリ（３７）が１６日、東京・日本外国特派員協会で、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長（５７）らとともに記者会見を行った。ロシアの侵攻による窮状を訴え人道支援を求めるため、三木谷氏の招きで１０日に来日している。
カーロリは「ウクライナの文化を紹介できるチャンスをいただき、ありがとうございます。文化が生きている限り、国は生きています。私の武器は言葉、音楽です。ウクライナの前線は一つではありません。戦場だけでなくいろんなところで戦っている人がいます」と明かし、子供たちが亡くなっていることを憂い、ウクライナの子守歌を歌唱した。
そして「一番大事なのは、ウクライナは自分の領土を守っているだけ。私たちは平和的な国です。私は世界にウクライナのことを忘れずに、支援していただきたい」と訴えた。「ウクライナは必ず勝利します。国を立て直してヨーロッパのど真ん中の、栄光の国になると思います」と力強く話した。
カーロリはインスタグラムなどＳＮＳフォロワー数３００万人以上を誇り、世界で活躍している。ロシアの侵攻が始まってからは、ウクライナの惨状についても発信している。「自分のキャリアを始めたのはウクライナ軍のソロ歌手としてです。昔から軍と一緒にいろんな前線で歌いました。前線で歌うのは危険なことで、防弾チョッキを着けて、軍の指示に従わなければなりません」と話した。
同席した三木谷氏は「この戦争で民主主義は大変強く抑圧されています。義務として、大小問わず世界中の市民が果たさなければいけないのは、団結することです。日本人も声を上げなければなりません」と英語で訴えた。
