瀬戸康史、将来の夢は「幸せに暮らすこと」<アリスとテレスのまぼろし工場>

瀬戸康史、将来の夢は「幸せに暮らすこと」<アリスとテレスのまぼろし工場>

瀬戸康史が「アリスとテレスのまぼろし工場」公開記念舞台あいさつに登壇

(WEBザテレビジョン)

オリジナル劇場アニメーション作品「アリスとテレスのまぼろし工場」が9月15日に公開を迎え、公開記念舞台あいさつが翌16日に行われた。

舞台には、主人公・菊入正宗役の榎木淳弥、正宗の同級生・佐上睦実役の上田麗奈、謎の少女・五実役の久野美咲、正宗の父親・昭宗役の瀬戸康史、正宗の叔父・時宗役の林遣都、そして監督の岡田麿里が登壇した。

■「アリスとテレスのまぼろし工場」作品概要

突然起こった製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時まで止まってしまった町が舞台となっている本作。いつか元に戻れるようにと、何も変えてはいけないルールができ、鬱屈とした毎日を過ごす日々。そんな中、14歳の主人公・正宗は、気になる存在の謎めいた同級生・睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこにいたのは言葉を話せない、野生の狼のような少女・五実。二人の少女との出会いは、世界の均衡が崩れる始まりだった。変化を禁じられた世界で、止められない“恋する衝動”を武器に、未来へともがく少年少女の物語だ。

■自身の役柄について、各々が振り返る「リアリティーのある人物像だなと」

公開を迎え、榎木、上田、久野が感謝の思いを込めたあいさつをする中、瀬戸は「岡田麿里監督、MAPPAさんありがとうございます。声優デビューでございます!」と喜びいっぱいにあいさつし、会場から拍手が沸き起こった。

林は「監督、公開おめでとうございます!皆さんおめでとうございます!観客の皆さんの食い気味の拍手から、すごい映画なんだなと確信しました」と観客の熱量の高さに驚きを隠せない様子を見せる。岡田監督は「3カ月前には完成すると思っていなかったので、本当に今、“まぼろし”感がすごい。感動しています」と心境を語った。

葛藤を抱える主人公・正宗を演じた榎木は、「時が止まってしまって、変わってはいけないという設定はファンタジーだが、現実世界でも押さえつけられる場面って学校や社会とかでもあると思う。僕も違うことをやりたくても『同じようにしろ』と言われたことがある」と共感し、「正宗はこの世界のどこかにいそうな人物像、リアリティーがある」とコメント。

自らをうそつきな狼少女と称している睦実を演じた上田も「私も14歳だったころ、自分の本当の気持ちを出せなかった。嫌われるのが嫌で」と共通点を明かし、そんな睦実の魅力を「周りからみたらミステリアスと思われる、無駄なアンニュイさを出しているけれども、出そうと思って出していないところ」と語った。

五実の感情を爆発させ泣き叫ぶシーンについて、演じた久野は「五実は純真無垢で世界のことを何も知らなくて、真っ白な状態の女の子。でも、正宗や睦実とか変わることで心が動き出して、変わっていく表現を心掛けた。泣き叫ぶシーンは感情が一番爆発するシーン。初めての経験をしてどうしたらいいのか分からない葛藤、どうしようもない気持ちを込めて叫んだ」と収録を振り返った。

かねてからアニメファンであることを公言している瀬戸は「声優陣の皆さんがしゃべるたび、“あの声だ”とワクワクする!客席に座りたいくらい!」と声を弾ませるも、声優に初挑戦したことについては「逆に僕で大丈夫なのかと…皆さんがどんな反応をするのかドキドキしている」と不安げな様子に。

そんな瀬戸を岡田監督は「大丈夫です!」と太鼓判を押し、林も「瀬戸さんすごいなって思った」と称賛。観客からも割れんばかりの拍手が贈られた。これに安堵したのか、瀬戸は「前向きに声優のお仕事やっていきたい。MAPPAさん、よろしくお願いいたします!(笑)」とちゃめっ気たっぷりな笑顔を見せアピールした。

正宗の叔父である時宗を演じた林は、「まだ全部の画が見えていない状況で演じるのは難しかった」と苦労を明かし、時宗の魅力を「守りたいもののために自分を犠牲にしているところ」と語った。
そんな声優陣に岡田監督は特に細かいディレクションはしなかったという。

「キャラクターを作る上で、皆さんの演技を画に生かしたいと思った。皆さんには思うようにやっていただいて、そのパワーにスタッフが影響を受けて、それをまた画にして、とキャッチボールできたらいいなと。」と制作する上で意識していたことを語り、「刺激がある演技をしていただいて感謝している。声をやっていただいたというより、皆さんには一緒にキャラクターを生み出していただいた」と声優陣のパワーみなぎる演技に感謝しきりだった。

■劇中に登場する「自分確認票」にちなんで、それぞれの「将来の夢」を発表

劇中では、いつか元に戻れる時のために「何も変えないようにする」という町のルールがあり、変化していないことを確認するため、人間関係や趣味、性格、将来の夢などを書く、「自分確認票」が登場する。このことにちなんで、登壇したキャスト、監督は互いの「将来の夢」を発表することに。

榎木は「どれだけ社会的に成功しても孤独死は嫌」という理由で「家族に囲まれて死ぬこと」と発表。続く上田も「猫ちゃんと一緒になるべくハッピーに暮らす」と愛猫への愛を爆発させ、久野も「毎日笑顔でのんびり暮らすこと」とほっこりしたかわいらしい回答で、会場は和やかな空気に。すると、瀬戸が3人の夢をひっくるめたかのように「幸せに暮らす」と発表し、会場の笑いを誘った。

そんな中、少し気まずそうに林が「リニア中央新幹線に乗りたい」と少年のような夢を発表すると、会場からはさらなる笑いが巻き起こった。最後は岡田が「何十年先もアニメを作っていたい!!」と発表。キャスト・観客らから大きな拍手が送られた。

最後に、観客に向けて岡田監督は「喜びも苦しみも全部『アリスとテレスのまぼろし工場』の中にある数年でした。皆さんに見てもらえてうれしく思っています。一緒に作品を作ってきた人たちとまた新しい夢をみて、皆さんに見ていただけたらうれしいです」と感謝の気持ちを込めたメッセージを贈り、イベントは幕を閉じた。

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