直木賞作家今村翔吾氏(39)が16日、東京・西浅草の台東区生涯学習センターミレニアムホールで「私と池波正太郎」というテーマで講演会を行った。
池波正太郎さんは戦後の日本を代表する時代小説・歴史小説家。「鬼平犯科帳」や「剣客商売」、「仕掛人・藤枝梅安」「真田太平記」など戦国、江戸時代を舞台にした時代小説を数多く世に送り出した第一人者だ。
1923年(大12)年1月に台東区浅草生まれの池波さんは今年、生誕100年。台東区では同氏の功績や作品の世界観を広く伝え、その魅力に触れてもらうために1月から記念事業を実施。
池波さんと同じ37歳で直木賞を受賞した今村氏は「小学校の時に初めて読んだ本が『真田太平記』で、池波正太郎こそ読書にのめり込むきっかけです。11歳の時、初めて池波正太郎の本を手に取ったのが、私の作家としての原点です。この場所でお話しさせていただくのは1つの節目だと思って臨みました。夢中になって読みふけっていた子どもの自分と、対話しているような不思議な感覚でした」と話していた。