歌舞伎俳優、市川猿翁(いちかわ・えんおう、本名・喜熨斗政彦=きのし・まさひこ)さんが13日午前6時55分、不整脈のため死去していたことが15日、分かった。訃報を受け、歌舞伎俳優、十三代目市川團十郎白猿(45)が16日未明、「私」と題した自身のブログを投稿し、追悼のコメントを寄せた。
「私にとって大切な先輩がこの世を去る、今年は四代目市川左團次さん、ご恩は生涯忘れない。亀井忠雄先生、私を友達と言ってくれた、私の大恩人」と23年に亡くなった自身にゆかりのある方々をつづった。
「そして三代目猿之助の叔父さん、私に新しい光を見せてくれた方、私の人生に大きな影響と愛を下さった方々が、今年旅立つ、もう少し待ってほしいです。心がついてゆけなくなる」と悲痛な思いを吐露。続けて「三代目猿之助の叔父さん、まだまだ芝居を舞台に立ちたい気持ちがおありだったと思います。寝たきりの生活になっても、歌舞伎の事のみを考え夢見ていたお姿は忘れられない。そしてお稽古をつけて頂いた思い出、、色々教えてもらいました。そしてあの時の楼門五山桐の共演も、感謝しかない、忘れられないです。あちらでも芝居を歌舞伎をなさるのだと思う」と当時を思い返しながら別れを惜しんだ。
ブログの最後には「叔父さんのお気持ちはおそらく、まだ足りぬ 芝居 芝居で 来世まで、、ですよね、、天翔ける心、それは貴方です。心から心からお悔やみ申し上げます」と長年に渡り歌舞伎界を引っ張り、数々の勲章を手にした市川猿翁さんの死をしのんだ。