徳島・池田高野球部を、監督として春夏3度の甲子園優勝に導いた、蔦文也さんの孫の蔦哲一朗監督(39)の、短編映画の特集上映が、今日15日から東京・下北沢のシモキタ−エキマエ−シネマ「K2」でスタートする。
今回の特集上映では、17年「ワークショップ」、22年「ミカはヴィーナス」と今年の「新宿ステーション界隈の亡霊たち」の3本を上映する。蔦監督は「短編映画を数本、撮っていて、まとめて公開するタイミングが出来ました」と、特集上映開催の経緯を説明した。
8月28日に文也さんの生誕100年を迎え、蔦監督が文也さんをテーマに製作した2015年(平27)年のドキュメンタリー映画「蔦監督−高校野球を変えた男の真実−」の上映会が、同25日に徳島市、10日には三好市で開かれた。さらに、台湾との合作になる新作長編映画「黒の牛」を、24年公開に向けて製作中。蔦監督は「今回の特集上映で、長編の方に弾みをつけたい」と意気込んだ。
蔦監督の短編映画特集上映の、作品の詳細は以下の通り。
<1>「ミカはビーナス」 日本映画批評家大賞と、ライブ配信および視聴を行うストリーミングサービス「マシェバラ」がコラボした映画製作企画で、オーディションを勝ち抜いた奥村美香を主演に迎えた短編映画。華やかである反面、厳しさもある芸能界に身を置く、奥村美香というひとりの女性の心の裡を16ミリフィルムがとらえる。「TVチャンピオン」などでお馴染みの中村ゆうじ、YouTuberのラファエル、タレントの加藤紗里らが友情出演。
<2>「ワークショップ」 17年10月に東京で開かれた演技ワークショップの受講生27名をキャストに、講師の蔦監督が製作。なぜ、彼ら彼女らは俳優を目指すのか。演出家からのセクハラ、受講生同士の恋愛、自分のクズっぷり、知名度がない俳優への世間の風当たりなど、受講生が今まで感じてきたものを赤裸々に語りつつ、それでもなぜ自分は俳優になりたいのかを自問自答する、現実と虚構が入り交じった異色の群像劇。
<3>「新宿ステーション界隈の亡霊たち」 8ミリ8フィルムを使用した蔦作品初の実験映画。
15日にはラファエル、奥村、蔦監督が登壇しての舞台あいさつ、16日は山本政志監督、17日は奥村と中村ゆうじと蔦監督、18日は奥村と蔦監督によるトークイベント、19日はシンガー・ソングライターHiRoshi Fujimotoと奥村が登壇し、上映後ライブイベントの開催が決定している。