角川博さんの新譜『大阪とおり雨』について、ご本人にお話を伺いました。
チャンネル銀河での本放送では入りきらなかったインタビューの模様をうたびと限定でお届け!
角川さんに新曲『大阪とおり雨』の制作秘話をはじめ、大物演歌歌手の楽曲をカップリング曲に選んだ理由、カラオケファンに伝えたい歌う時の心構え、さらに大阪の思い出話など、たっぷりと語ってもらいました。
ノーカットのインタビュー動画はこちら。
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――新曲『大阪とおり雨』をどのような気持ちで歌っていますか?
演歌というのは楽曲的に出来上がっているので、あまり思いを重ねないで、寂しさ、切なさ、悲しさを出すよりは、逆に押し殺して笑顔で歌うとか、そういう気持ちで、私はこの新曲以外でも歌っています。
「悲しい」と歌詞で歌うと悲しさばかり出るので、ちょっと笑顔で歌ってみて、後ろで悲しさが見え隠れする方が、僕は歌として上等じゃないかなと思います。僕は48年、そういうふうな気持ちで歌に取り組んできていると思います。
皆さまが角川博の歌を聴いて、どう思うかというのはあまり思わないで、僕らしさを出していこうと思いながら歌っています。
――カップリング曲『夜空』は、大物演歌歌手の楽曲ですね。
新曲を出すと、もう一つのカップリング曲というのは、だいたい知らない曲だと思います。「知らない曲よりも知っている曲の方がいいのではないか」と、ディレクターと話してカバー曲にさせていただきました。
どんな曲を入れたかというと、お中元として、お世話になっている五木ひろしさんの曲を入れさせていただきました。『夜空』は、私がクラブ歌手時代に歌っていた曲です。ギターでアレンジさせていただいて、歌わせていただきました。レコーディングが終わって家に帰った時に、「あっ、五木さんに断ってねえや」と思いまして(笑)、すぐに電話しました。そしたら「うれしいよ」と言ってくれました。でももし「入れるな」と言われても入れていました(笑)。
――レコーディング時に心がけていることを教えてください。
歌を書かれた先生たちには失礼な話になりますが、あまり歌を覚えていかないです。他の方は分かりませんが、僕はざっくりと覚えていきます。それは作家の先生にも伝えています。なぜかというと、しっかり覚えていくと「ここのメロディーが…」となった時に、刷り込まれてなかなか取り除けないことがあります。レコーディングが長時間になってしまうので、先生に言ってもらった方が、スムーズにレコーディングが成り立っていくと思います。
――カラオケのポイントを教えてください。
自由に歌ってください。「こう歌え」と決めてはだめです。あまりうまく歌うということを思わないことです。うまく歌おうとすると、余計なことが歌に入ってきます。言葉にはニュアンスがあるので、それに逆らわずに歌うことが一番だと思いますね。
今回は大阪の歌ですから、大阪の言葉で「相手のことが好きだ」というのは、「好きやねん」と言いますよね。だいたい「好きやねん」という言葉のニュアンスでメロディーがつきます。そのニュアンスを大事に、そういう気持ちにいろいろと心を配って歌うというのが一つの歌です。言葉を大事に噛み砕いて、置き方、入り方を加味して歌を練習する。「こう歌って、ここで息を一つしよう」とやってみるのもいいですね。
白玉(音符)があったら、あまり伸ばさないでふっと切ったり、プロの歌い手さんが歌っているのを少し真似したり、感じ取って練習した方がいいかなと思います。
もし大会に出るのであれば、いろいろ気を配って歌うと、審査員の先生方も分かると思いますよ。そういうところを大事に、あとは気にせずに自由におおらかに歌ってください。
――ミュージックビデオについて教えてください。
出番は少なくしたいです。早く撮影が終わるから(笑)…ということではないですが、要所要所の方が僕はいいと思います。あまりしょっちゅう僕が出てきてもしょうがないという感覚がありますね。歌い手は映像的に、歌のなかであまりチョロチョロしない方がいいと思います。でも出ています(笑)。要所要所で出ていますので観ながら歌ってください。
次の曲はもうワンシーンしか出ないよ(笑)。「え、どこで出た?」「瞬きしたらわかんないよ」みたいなね。
――大阪での思い出はありますか?
デビューして3年目で『大阪物語』という歌を出しました。今作はそれ以来です。『大阪物語』を出した時、現地の有名な記者が「なんやこれ、大阪の歌やないやないかい」と言ったんです。俺もカチンときて「大阪って書いとるやないかい」と言い返しました(笑)。その当時デビュー3年目ですよ。もう突っかかっていきました。そしたらその記者と仲良くなりました。それからその記者は何も言わなくなりました。
そういうことはありましたが、『大阪物語』は、かぐや姫の『神田川』を書いた喜多條忠さんが詞を書いてくださって、当時はうれしいと思っていました。すごく優しい先生でした。残念なことにもういらっしゃいませんが、また詞を書いてもらいたいと思っていました。
デビューした時は、ABCというテレビ局で「シャボン玉プレゼント」という歌番組がありました。司会は西川きよしさんと横山やすしさんのお2人で、しょっちゅう出させていただきました。当時、『大阪物語』のイントロがなって歌おうとしたら、後ろから笑福亭鶴瓶にお尻を蹴られまして(笑)、それでも歌っていたという、そういうのが売りの番組でした(笑)。いろんなことをやって、当時は歌っていました。
大阪はものすごく好きな町です。北海道に行ったら「北海道が一番です」と言っていますけどね(笑)。大阪が一番です。
――最近ハマっていることはありますか?
コロナ禍で太っちゃったので、歩くのは凝っています。毎日6キロぐらいを朝夕歩いています。家にもトイプードルが2匹いるのですが、なぜか近所の犬のペットショップに行って、写真を撮ったりしています。他のワンちゃんも好きですからね。
余談ですが、神野美伽が捨て猫を助けることをやっていて、「人間が動物を捨てちゃいけないよ」と言っています。
僕が広島にいた頃、両親は新聞販売店をやっていました。僕も新聞配達をやっていて、新聞配達すると必ず猫とかワンちゃんが捨てられていました。昔はそれを全部持って帰っていました。多い時は30匹ぐらいになって、世話していました。
ワンちゃんや動物は大好きですね。喋れないので僕らが世話してあげないといけないなと思います。セキセイインコや文鳥など、いろいろいました。今は歩いてワンちゃんのペットショップに行って眺めていますね。
――最後にファンの方へメッセージをお願いします。
あと2年したら50周年ですが、あまり目指しません。節目は嫌いです。僕にとっては48年も49年も大事です。1年1年というのは大ざっぱなので、1秒1秒を大事に、そのステージ、一つの歌を大事に、これからも歌ってそれを重ねて、いいじじいになっていきたいです。
放送チャンネル:CS放送チャンネル銀河
放送日時などの詳細は⇒
https://www.ch-ginga.jp/detail/nipponnouta_gingaselection/episode.html?id=23038
発売中
品番:KICM-31107
価格:¥1,500(税込)
【収録曲】
1.大阪とおり雨(作詞:瀬戸内かおる/作曲:岸本健介/編曲:伊戸のりお)
2.夜空(作詞:山口洋子/作曲:平尾昌晃/編曲:伊戸のりお)
3.大阪とおり雨(オリジナル・カラオケ)
4.大阪とおり雨(一般用カラオケ・半音下げ)
5.夜空(オリジナル・カラオケ)
6.夜空(一般用カラオケ・半音下げ)