葵わかな（25）が11日、東京・渋谷ヒカリエ内の東急シアターオーブで行われたミュージカル「アナスタシア」（12日開幕〜10月7日）の初日前会見に臨んだ。
葵は木下晴香（24）とともに記憶を失った少女、主人公アーニャをダブルキャストで演じる。2020年3月1日から開幕予定予定だった本公演は、新型コロナウイルスの影響で初日を延期。大阪公演を含め全52回の公演予定を中止し、14回の上演にとどまっていた。
葵は明日の開幕に向け「今の率直な気持ち、もう明日って思いました。2020年中止になって、長いように感じていた。明日からリベンジできるのはうれしい。前回は不完全燃焼だった。明日からの本番、無事に駆け抜けられるように」と意気込んだ。
再演を望む声が多く、昨年9月9日に再演が決定した。「決まる前からやりたいと思っていた。私の中では決定事項だった。人生の中でもう1度挑戦したかった。この作品が不思議な形で残っていたけど、いいふうに消化できた」と話した。
木下とは前回同様、ダブルキャストで演じる。葵は「もともと信頼関係がある。図らずとも常に共有することができた。気持ちの面でも支えてもらうことも多かった。いつも頼りにしています」と相棒をたたえた。
今作の魅力についても語った。「夢の現実とバランスのよさ。そこが常に拮抗（きっこう）して存在しているのがアナスタシアの特長。きらびやかな半面、泥くさい。自分もそれを大切に演じたい」。最後に「大阪まで元気で楽しくお届け手出来たら」と締めくくった。
大阪では10月19日〜31日まで梅田芸術劇場メインホールで行われる。葵、木下の他に、海宝直人、相葉裕樹、内海啓貴、堂珍嘉邦、田代万里生、大澄賢也、石川禅、朝海ひかる、マルシア、堀内敬子、麻実れい、らが出演する。
▼あらすじ 舞台は、20世紀初頭、帝政末期のロシア、サンクトペテルブルク。ロシア帝国皇帝ニコライ2世の末娘として生まれたアナスタシアは、パリへ移り住み、離ればなれになってしまった祖母マリア皇太后からもらったオルゴールを宝物に、家族と幸せに暮らしていたが、突如ボリシェビキ（後のソ連共産党）の攻撃を受け、一家は滅びてしまう。
しかし、街中ではアナスタシアの生存をうわさする声がまことしやかに広がっていた。パリに住むマリア皇太后は、アナスタシアを探すため多額の賞金を懸ける。それを聞いた2人の詐欺師ディミトリとヴラドは、アナスタシアによく似た少女アーニャを利用し、賞金をだまし取ろうと企て、アーニャと3人でマリア皇太后の住むパリへと旅立つ。記憶喪失だっアーニャは次第に昔の記憶を取り戻していく。
同じ頃、ロシア政府はボリシェビキの将官グレヴにアナスタシアの暗殺命令を下す。マリア皇太后に仕えるリリーの協力を得て、ついにアーニャはマリア皇太后と会う機会を得るが、グレヴがアーニャを見つけ出す。
