今年芸能生活50周年を迎えた女優、大地真央(67)が東京・千住のシアター1010で主演舞台「最高のオバハン 中島ハルコ〜ナイルの涙」(演出・高橋正徳)を上演中。連日客席を沸かせ、カーテンコールでは盛り上がりをみせている。
作品は、2021年4月期と22年10月期にフジテレビ系で放送された大人気コメディードラマの舞台化。大地ふんする美のスーパードクター・中島ハルコが、世に蔓延(まんえん)する不正や悩みを〝令和の水戸黄門〟のごとく、バッサバッサと斬りまくる痛快エンターテインメントだ。今回は豪華客船を舞台に、船上で発生した事件をハルコが鮮やかに解決する姿が描かれる。
東京公演は連日熱気に包まれ、序盤から随所で笑いがわき起こる。テレビ版で見せたハルコの小気味よさは健在で、加えて大地の華やかさが目を引く。終盤では、どんでん返しもあり、客席を物語にグイと引き込んでいく。
共演者も芝居巧者が顔をそろえた。テレビ版でおなじみ、三島昭宏役の田山涼成、若杉慎之介役の蕨野友也、大谷将役の合田雅吏ほか、今回は浅田美代子、モロ師岡、石井一孝、樹里咲穂、木村花代、未沙のえる、Wキャスト(YUTAKA役)の風間トオル&渡辺大輔といった、そうそうたる顔ぶれ。各々の個性が光り、カーテンコールではスタンディングオベーションでキャストの熱演をたたえた。
同作は大地の芸能生活50周年記念公演と銘打っており、もとよりコメディーセンス抜群の大地の魅力が輝く。テレビ作品の舞台化が今回初めてという大地は、開幕前「テレビとはまた違う舞台ならではの中島ハルコをお届けしたい」と話していたが、まさに有言実行といった感じ。円熟味を増した大地の今後に目が離せない。
東京公演は同劇場で10日まで。その後、名古屋公演(御園座で9月13〜20日)、福岡公演(博多座で9月27日〜10月3日)、高松公演(レクザムホールで10月7、8日)、大阪公演(新歌舞伎座で10月12〜15日)、長野公演(長野市芸術館で10月19、20日)、盛岡公演(トーサイクラシックホール岩手=岩手県民会館=大ホールで10月25、26日)、山形公演(やまぎん県民ホールで10月28、29日)と各地で上演予定。