「ぬりかべで 汚部屋隠して テレワーク」妖怪川柳大賞2作品、題材はともに「コロナ」

「ぬりかべで 汚部屋隠して テレワーク」妖怪川柳大賞2作品、題材はともに「コロナ」

大賞作品を紹介する結城会長と鬼太郎やねこ娘の着ぐるみ(境港市で) 【読売新聞社】

(読売新聞)

 漫画家の弘兼憲史さんと歌人の俵万智さんが特別審査員を務めた「第16回妖怪川柳コンテスト」の入賞作品が12日、鳥取県境港市で発表された。一般の部で弘兼さんが選んだ大賞は「2年自粛 伸びっ放しの ろくろ首」。俵さんが選んだ大賞は「ぬりかべで 汚部屋おべや隠して テレワーク」で、ともに新型コロナウイルスを題材にした作品だった。(但見易史)

 境港市は妖怪漫画の第一人者・水木しげるさんの出身地で、妖怪の特徴と世相を絡めて一句ひねってもらおうと境港観光協会が企画。今回は昨年11月〜1月に募り、一般の部と中学生以下の部に全国の5〜93歳(公表分のみ)から3375句が寄せられた。前回に続いて新型コロナ関連が多く全体の約7割を占め、東京五輪や北京五輪に関係する句も目立ったという。

 弘兼さんが選んだ大賞の作品は東京都豊島区の女性(50歳代)が応募し、「一日でも早く新型コロナが終息するように願って首を長くして待っており、その気持ちをろくろ首と重ねた」とコメント。弘兼さんは「伸び切った首は元に戻るのでしょうか? ろくろ首がとぐろ首になりそうですね」と冗談交じりに講評した。

 俵さんが選んだ大賞は京都市の女性(37)の作品で、散らかった部屋がオンラインで映り込まない背景はないかと探した時のことを思い出して作ったという。俵さんは「なるほど、ぬりかべが背景にいてくれたら隠すことができるなと実感し、妖怪との組み合わせが面白かった」と評価した。

 中学生以下の部で弘兼さんが選んだ最優秀賞は、聞こえた言葉を山びこのように返す妖怪「呼子よぶこ」が登場する「ご近所へ 呼子が運ぶ 痴話喧嘩ちわげんか」(静岡県伊東市の小学5年女子)。俵さんが選んだ最優秀賞は、コロナの影響によるイベントの無観客開催を取り上げた「無観客 こっそりてる ろくろ首」(鹿児島市の中学3年男子)だった。

 境港観光協会の結城豊弘会長は「コロナを前向きにとらえ、兆しや希望を詠んだ句が多かった。人間のしぐさを妖怪が映すところを読み取り、笑ってほしい」と話していた。ほかの入賞作品は観光協会のホームページで紹介している。

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