期間限定再結成中の4人組ロックバンド、男闘呼組が25日、東京・日本武道館で全国20都市67公演を行ったラスト全国ツアー最終公演を行った。
グループの念願だった日本武道館で飾る有終の美。今月16日、17日、24日、25日と4日間にわたって同会場でのライブを実現させ、高橋和也(54)は「ついにラストです。今日も満員のみんなありがとう。最後、一緒に燃え尽きよう。今日はたっぷりたっぷり愛してやるぜ〜!俺らと一緒にパーティーしないか〜!!」と呼びかけた。
冒頭から「TIMEZONE」「CROSS TO YOU」「DON’T SLEEP」のシングル曲3曲でスタート。中盤ではデビュー年である88年に4人が主演として出演した映画「ロックよ、静かに流れよ」で使用された「ルート17」「LONELY…」などで盛り上げた。
ライブは活動休止直前の93年にチケットを販売しながら開催できなかった会場を中心に回り、計67公演で約35万人を動員。高橋は「目で見ちゃだめさ」の前振りでは「目に見えるものにだまされるなよ。目に見えるものだけが真実じゃないんだぞ。目に見えるものに惑わされそうな時、そんな時どうするか、ここで見るんだ、ここで」と胸をたたき、会場を沸かせた。
アンコールでは4人それぞれが思いを語った。客席のあちこちからすすり泣く音が聞こえる中「みんなありがとう。いよいよ男闘呼組の25年間の幕が閉じる時がやってきました。35年間、僕は男闘呼組のことを、そして応援してくれたみんなのことを一瞬たりとも忘れたことはなかったです。今日、そして明日、これで男闘呼組の活動の全てが終わります。この今、この瞬間のことをグッと胸に刻み込んでいこうと思っています。みなさんも俺たちのこの姿をじっと最後まで見守っていてください。本当にありがとうございます」と語りかけた。
岡本健一(54)は「(デビューした)1988年、イラン、イラクの戦争が停戦。これから平和になるのかと思った矢先、すぐまた湾岸戦争が始まり、それ以降もいろいろな場所で戦争は起こっています」と切り出し「今もなお、ウクライナとロシアでかけがえのない命が奪われていっています。男闘呼組が再始動した2023年。会場には日本全国のライブに足を運んでくれた、みなさまの幸せな空気がいつも流れていました。男闘呼組は35年の歴史の幕を閉じます。男闘呼組のライブ会場に足を運んでくれて、たくさんの愛のあふれるエネルギー、これがこれからこの先、世界に幸せをもたらしていくことを願っています。みなさんの作り出すその愛は、本当に愛にあふれています。これからこの先、健康第一、健康一番であることを心から願っています」。
成田昭次(55)は「1993年に活動停止してから長い間、僕が一番距離が遠かったかもしれないですけど、だけどまた去年10月からガーデンシアターに始まり、全国のホールツアーを含めて、昨日が男闘呼組のデビュー日、24日。そして今日が最終ラストFOREVERなんですけど、本当にここまでくるのに長い道のりでした。本当にたくさんのスタッフのみなさんに支えられて、いつも励まされて、気持ちよくステージを務めることができたと思います。そして、35年もの長い間があったにもかかわらず、こんなにたくさんのこんなにいとおしい、こんなにすてきなファンのみなさんとまた再会できたことが…(涙ぐむ) でも本当にこの4人の出会いがあったからこそ、10代のころからこの4人と出会って、また再び再会することができて、メンバーに感謝します。ありがとうございます。10代のころからみなさんがこうやって、50代になっても応援し続けてくれたことが奇跡を現実にかえてくれた日だと思います。本当にありがとうございます」。
最後にあいさつした前田耕陽(55)は冒頭から涙しながら言葉を紡いだ。「男闘呼組、35周年。実際に活動していたのは5年です」と笑いも誘いつつ「そこから30年ずっと活動していなかった。日本全国まわってたくさんの人たちに温かく迎えていただいて、僕らの1年間の活動でみなさんの30年間の空白を埋めることができたでしょうか」と語りかけると、会場からは大きな歓声が起こった。
前田は続けて「男闘呼組は今日、明日で終わりますが、僕ら4人と会場に足を運んでくれる現場はすごく強いものだと感じることができました」。
最後はダブルアンコールも行い、「FOREVER」を熱唱。メンバーのかけ声を合図に、ファンと「We are 男闘呼組」と声を出してステージを締めくくった。
男闘呼組は26日に東京・日比谷野外大音楽堂でのアンコール公演で解散。4人は別バンド「Rockon Social Club」として活動を継続する。