関野ロコ(久保田梨沙)「ブロ子の歌」
声優・久保田梨沙が7月31日付で引退・廃業というニュースが流れた。2015年のデビュー以来、「アイカツ!シリーズ」をはじめとして数々の役をこなしてきた彼女だが、個人的に最も強烈な印象を受けたのは20年に放送されたアニメ「おちこぼれフルーツタルト」の“関野ロコ”役だった。
この作品は、売れない芸人を集めて結成されたアイドルユニット“フルーツタルト”の奮闘ぶりを描くもので、久保田が演じたロコもそのメンバーの一人。ロコは芸歴10年の元子役という設定で、その子役時代にリリースしたブロッコリーのCMソング「ブロ子の歌」のCDは原作の漫画によるとミリオンセラーを達成していたらしい。
もちろん、アニメの中でも幼いロコが同曲を歌っているシーンが流れたのだが、この曲の中毒性たるやかなりのもの。メロディーが良いとかアレンジが秀逸とかいうのではない。歌詞も「ブロっ子ブロっ子ブロッコリー」の連呼。しかし、一度耳にしただけで誰でも100%覚えられる。覚えるどころか、ずっとそのフレーズが頭の中をグルグルと回る。作中に登場する架空のCMとはいえ、視聴者に商品を印象付けるためのCMソングとして、スポンサーが求める条件をここまで満たしているのは見事なのではないか? ミリオンセラーだったというのもふざけた設定ではない。現実のヒットチャートでも、ノベルティーソングが大ヒットしてしまうことが時々あるのだから。
ちなみにこの曲は普通のCDリリースがなく、「おちこぼれフルーツタルト」のBD/DVD第1巻の特典CDに収録されている。単独で発売したら、現実世界でもまさかのミリオンセラーになったかも?