日本で大炎上「バービー」 子供向け映画の皮を被ったオオカミ

【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。映画「バービー」が11日から日本でも公開されました。同作を巡っては米国の「バービー」公式X(旧ツイッター)が、ネットユーザーが投稿した原爆の象徴であるキノコ雲とバービーのコラ画像に好意的な反応を示し、日本で大炎上しました。

 また、映画で使われた地図の中に、中国が主権を主張する南シナ海の領域を示す九段線が描かれていることから、領土問題で中国と衝突するベトナムでは上映中止になるなど何かとお騒がせです。

 そこで今回は現在、公開中の映画「バービー」を紹介します。マーゴット・ロビー演じるバービーは、すべてが完璧なバービーランドでパーティーなどをして毎日楽しく暮らしていました。そんなある日、完璧なはずのバービーランドに異変を感じ、その原因を突き止めるためにボーイフレンドのケン(ライアン・ゴズリング)とリアルワールド(人間の世界)に向かいます。

 人間の世界でバービーはバービーランドとのギャップに驚くことになります。自分が女の子たちのあこがれの対象と思っていたら、人間の世界ではバービーのように女性の武器を露骨に押し出していると同性から敬遠されてしまうんですね。男性からは性の対象と見られ、社会や政治は男性が牛耳っている人間の世界を目の当たりにします。バービーがバービー人形の製造会社マテル社に行くシーンがあるんですけど、マテル社もおじさんしかいない(笑い)。

 バービーは愕然としてバービーランドに戻るんですが、一方のケンは男社会って素晴らしいということに目覚めて、バービーランドを男性優位の社会に変えていこうとします。バービーランドはどうなるのか。結末はぜひ劇場でご覧ください。

 一見すると夢のようなバービーランドを舞台とした子供向け映画と思いますよね。しかし後半からはジェンダーへの痛烈な批判になっていきます。まさに子供向け映画の皮をかぶったオオカミです。あとはマテル社が監修しているのが大きいと思います。役員が男性ばかりという皮肉をマテル社公認でやってるワケですから。すごくいい映画なのに作品以外のことが話題になり、もったいないなあという印象です。

 主演のマーゴット・ロビーはバービー役にぴったりですけど、彼女自身が本作のプロデューサーも務めています。自らバービーを演じ、ジェンダー問題を提起するという強烈なメッセージを発信しました。女優であり、優秀なプロデューサーとして今後、ハリウッドを引っ張っていく存在になると思います。

☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。

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