【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。タレントのryuchellさん(享年27)が急死するという悲しい出来事がありました。僕も以前に番組で、ご一緒させていただいたことがあり、いまだに信じられない気持ちです。ryuchellさんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
ryuchellさんにはSNS上で誹謗中傷が寄せられていたようです。今、誹謗中傷をしていた人たちが相次いでコメントやアカウントを削除している動きもあります。SNSの広がりで便利になった一方、誹謗中傷による悲しい事件も相次いでいますよね。
そこで今回はネットの危険性をテーマにした映画「ディス/コネクト」(2012年)を紹介します。音楽好きの少年ベンは、友達もおらず孤独な学校生活を過ごしています。ある日、SNSを通じてベンの歌に興味を持った少女ジェシカと出会います。チャットでやりとりをするうちに心を許したベンは、ジェシカの求めに応じて自身の裸の写真を送ってしまいます。
ところが、ジェシカを名乗っていたのは同級生の男子だったんです。同級生はイタズラでベンの写真を学校中に広めちゃうんですね。絶望したベンは自宅の部屋で自殺を図ります。姉が発見し、命は助かりますが意識不明の状態になってしまいます。父親はベンがなぜ命を絶とうとしたのか原因を突き止めようとします。そしてベンのSNSからジェシカを名乗っていた男子学生を突き止め、家に乗り込んでいきます。結末はぜひ、本編でご覧ください。
映画はベンの話に加えて、ハッキング被害に遭いお金を失った夫婦、ネットのアダルトチャンネルに出演する未成年を取材するリポーターと3つのエピソードを、巧みに織り交ぜながらネット社会の問題をあぶり出していきます。
10年以上前の作品ですが、今見ても決して色あせません。いつ被害者、加害者になってもおかしくないSNSの怖さを知る意味で見逃せない一本と言えます。
☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。