千原監督が「映画制作をデザインする」と題し、長年の夢だった「映画を作ること」をアートディレクターの視点から構築し、従来の映画製作のやり方にとらわれない手法で挑んだ本作。原案は、川上未映子の短編集「愛の夢とか」(講談社文庫)内収録の「アイスクリーム熱」。国内外問わず圧倒的共感と文学的評価を得る川上未映子の小説、初の映画化作品となる。
美大を卒業してデザイン会社に就職するも上手くいかず、今はアイスクリーム店のバイト長として日々を送る常田菜摘(吉岡)。ある日、店にやってきた作家・橋本佐保(モトーラ世理奈)に運命的なものを感じ、佐保の存在が頭から離れなくなっていく。一方、バイト仲間で後輩の桑島貴子(詩羽)は、変わりゆく菜摘をどこか複雑な想いで見つめていて…。アイスクリーム店のご近所さんの高嶋優(松本)は、疎遠になっていた姉の高嶋愛(安達祐実)の娘・美和(南琴奈)が、何年も前に出ていった父親を捜すため、突然訪問してきて戸惑っていた。いきなり始まった共同生活。優の内心を占める不安は、それだけではなかった…。熱(フィーバー)に似た心を捉えて離さない衝動。それぞれの色を纏った4人の想いは交錯し、切なくも確かに疾走していく――。
◆吉岡里帆、この夏フィーバーしたいことは?
モトーラ世理奈が演じる佐保に思いを寄せる菜摘を演じた感想を求められた吉岡は「今日、モトーラ世理奈ちゃんと登壇できなかったのがすごく残念だったんですけど、撮影中、ひと目見た瞬間から心奪われるような方なんですよね、モトちゃんが。たまらないというか、この人と会えてよかったという気持ちに自然となりました」と胸の内を明かし、「自分に自信がなくて、自分なんて何もないんだって思っていた部分を、人との出会いでその人が埋めてくれるようなロマンティックさみたいなものを、この脚本から感じていたので、人に掬い上げられるような希望的感覚というのを千原さんがこの映画に込めた思いとしても、優しく繋がっているところ、人との繋がりの尊さみたいなところを感じながら日々演じていました」としみじみと振り返った。
また、本作のタイトルにちなみ、この夏にフィーバーしたいことや、毎夏フィーバーしていることを聞かれると、吉岡は「アイスクリームにかけてなんですけど、いま別の作品の現場中で、1日の終わりにサクレを食べているんですけど…」と明かし、松本が「サクレ?」と首を傾げると、吉岡は「えっ?あれ?めっちゃ有名なアイスなんですよ…。かき氷みたいなレモンの…えっ?本当に言ってます?サクレ知らない人って…」と目を丸くし、「歴史のあるアイスで大好きで、サクレの大好きなところは切ったそのままのレモンが乗っているんですよ。あのレモンの酸っぱい部分をスプーンで削りながら、ちょっとずつ食べるのがすごく好きで」と説明。松本に加えて千原監督も知らないことが明らかになると、吉岡は「…本当に知らないんですか?衝撃なんですけど(笑)」とさらに驚き、「私は日々、サクレに背中を押されて仕事を頑張れているくらい、サクレを食べています」とにっこり。
続けて、吉岡は「サクレ好きな人?」と観客に投げかけ、手が挙がると「よかったー。びっくりしました。私だけ違う世界で生まれて育ったのかと思いました」と胸を撫で下ろし、松本は「私たちがマイノリティーでしたね」と千原監督と顔を見合わせた。
さらに、吉岡は「監督は『れもんらいふ』という会社をされているんですけど、まさにレモンのアイスですから、なんで知らないのかって(笑)」と追い込み、千原監督が「意外と酸っぱいものが苦手で」と明かすと、吉岡は「私は地で“レモンライフ”していますよ」と胸を張った。(modelpress編集部)
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