女優の大竹しのぶが24日、東京・スパイラルホールで21年ぶりの一人芝居となる舞台「ヴィクトリア」(30日まで、演出・藤田俊太郎)の初日を迎えた。
数多くの名作映画で印象的なヒロイン像を生み出した映画界の巨匠イングマール・ベルイマンが、当初、映画脚本として執筆。その後、ラジオドラマとして発表したという異色の一人芝居。大竹演じるヴィクトリアが、自分自身の魂と向き合うかのように語る独白を過去と現在、幻想と現実が融合したかのようなタッチで描く。
大竹は作品について「ヴィクトリアという孤独な女性の脳内をグルグル旅しているかのような劇構造で、孤独な少女時代、夫の裏切り、夢の中、パーティー、一瞬にして変わる場面、場面を衣装も装置も変わらず私の声、表情だけで表すのはとても難しいことですが、だからこそやり甲斐があります」と説明。「緻密で繊細な世界がとても魅力的。ベルイマンの世界は深くて、謎があって、哀しくて、とても美しいのです。それが伝えられるよう、頑張ります」と意気込んでいる。