嵐の松本潤が江戸幕府初代将軍の徳川家康を演じるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜・後8時)の第24回「築山へ集え!」(25日放送)で、家康が究極の選択に迫られる。
「築山殿」として存在感を示す家康の妻・瀬名(有村架純)が、敵対する武田家と接触。それどころか、別の面々にも密書を送って築山に集め始める。途方もない大きな計画をもくろむ瀬名。もしそんなことが織田信長(岡田准一)にばれてしまったら、どうなるか…。家康の心境は想像に難くない。
史実では「築山殿事件」として知られ、悪妻とされる瀬名が武田家と内通していることが発覚し、処刑されるという騒動。ただ今作の瀬名は悪妻ではなかったという設定で、実際のところも、どの史料が真実なのか誰も分からない。歴史の大きな流れは変えられないにしろ、脚本家・古沢良太氏の解釈が楽しみになる。
前週の第23回「瀬名、覚醒」(18日放送)では、家康周辺のごたごたが描かれた。武田側の使者と会うなど不穏な動きをする瀬名を、息子の嫁で信長の娘でもある五徳(久保史緒里)が信長に密告。なぜか信長は水野信元(寺島進)が内通していると言いがかりをつけ、家康に水野を処刑させる。冤罪(えんざい)であったはずの水野だが、死ぬ間際に「他にやっとる奴はいっぱいおるわ! みんなやっとるわ!」「なぜ俺だけが…」と不穏な発言も。さらには家康の息子・信康(細田佳央太)が無実の僧を斬るなど乱心した上に寝込むという展開だった。
そんな中、家康の癒しのとなったのが於愛の方(広瀬アリス)。上手ではない笛を吹き、近眼のため別人と間違えて家康を尻をひっぱたいた。血生臭いドラマにバランスを取るような明るい存在。SNSでも「やはりめちゃくちゃかわいすぎる…」などと歓迎の声が相次ぐ。後に側室として2代将軍・秀忠を生むなど、家康に愛された於愛の方。番組関係者は「近眼だったのは史実のようなので、それをもとにしたキャラクターのようです」という。
第23回の平均世帯視聴率は10・2%で微減。ライバルのテレビ朝日系「ポツンと一軒家」に次ぐ数字だった。過去の大河ドラマ放送回数を考えると、そろそろ折り返し地点の同作。現在の家康は30代中盤だ。年齢的にはほどよいペースで進んでいるものの、これからも歴史的事件が盛りだくさん。描かれ方とともに、ストーリーの取捨選択にも関心が尽きない。
(NHK担当・浦本将樹)
※視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区