原作コミックでスパイダーマンの宿敵として描かれるクレイヴン。素手で猛獣を倒せるほどの身体能力と五感を持つことで最強のハンターとなったクレイヴンは、自分より強い者を認めず、全ての相手を狩り尽くそうとする。その容赦ない狂気は、「マーベル史上最も悪名高きヴィラン」と呼ばれることもあるほどだ。彼はいかにしてその力を得て、いかにして創り出されたのか――。
幼い時に母親を亡くした少年セルゲイは、冷徹な父親から「強き者が生き残る。相手を全て獲物と思え。」という精神を叩きこまれて育つが、その軟弱な性分から父親の期待に応えられずにいた。ある日、父親と共に狩猟に出たセルゲイは、ライオンに襲われ生死を彷徨う事態に。死と直面し、彼の中で“本能”が目覚める。
今回初解禁された予告映像には、ライオンから特殊能力を得た、まさにクレイヴン・ザ・ハンターが誕生する瞬間を見ることができる。まるで別人に生まれ変わったような強靭な肉体が映し出され、「父親がもたらした悪を始末する」と言いながら次々と“狩り”を実行するクレイヴン。だが、その狂気は次第に暴走してゆく。
今年4月にラスベガスで行われたシネマコンで、主人公クレイヴン役のアーロン・テイラー=ジョンソン(『ブレット・トレイン』など)が、ソニー・ピクチャーズによるマーベル作品で本作が初めて「R指定」になることを明言した通り、残虐描写満載の迫力あふれるアクションシーンには目を見張るものがある。
映像の中ではクレイヴンが蜘蛛に囲まれるシーンも。これは物語がスパイダーマンにつながることを意味しているのか――。さらに映像の最後には、『アメイジング・スパイダーマン2』(14年)にも登場した、ライノと思われるサイの皮膚に変形した腕の一部が…。いろいろ憶測を呼ぶ予告映像となっている。
ヒロインのカリプソ役は『ウエスト・サイド・ストーリー』(21年)でアカデミー賞助演女優賞を受賞したアリアナ・デボーズ。クレイヴンの父親をオスカー俳優のラッセル・クロウが演じる。