【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。米アップルが同社初となる拡張現実(AR)対応のゴーグル型端末「Apple Vision Pro(ビジョン・プロ)」を発表しました。
現実空間にデジタル画面を重ねることができるので装着すると目の前に巨大な画面が広がり、目や手の動き、音声だけで操作ができるとのことです。
映画「マイノリティ・リポート」(2002年)を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。西暦2054年を舞台にトム・クルーズ演じる刑事が空間に浮かんだ画像やファイルなどを操作するシーンがありましたよね。まさにその未来が現実になろうとしているワケです。いや〜、胸アツです!
米国では24年に発売予定なんですが、価格が3499ドル(約49万円)とちょっと高い…。我々の手に届くには、もう少しだけ時間がかかりそうですね。
映画ではARやVR(仮想現実)をテーマにした作品が数多く製作されています。そこで今回は「忌怪島/きかいじま」(23年)を紹介します。「なにわ男子」の西畑大吾さんが主演を務め、「犬鳴村」「樹海村」「牛首村」の「恐怖の村」シリーズを手掛けたJホラーの巨匠・清水崇監督がメガホンを取りました。
西畑さん演じる天才脳科学者の片岡友彦は父の死をきっかけに、現実世界をそっくりそのまま仮想世界で作り上げるVR研究チーム「シンセカイ」とシャーマン(地元ゆかりの霊媒師)が棲む島を訪れます。島で不可解な連続死が起き、チームはVRを使い、その謎を解き明かそうとします。閉ざされた島を舞台に現実と仮想世界という2つの空間で起きる恐怖を描いたホラーです。
今回のポイントは身体感覚を預ける仮想世界と現実世界を行ったり来たりすることで、あの世とこの世の区別を曖昧にさせるという手法を取っているんですよ。ネタバレになるのでこれ以上は言えませんが16日から公開ですので、結末は劇場でご覧ください。
科学技術とホラーって両極な気がしますけど、実はホラー映画と最先端技術や電化製品は相性がいいんです(笑い)。さかのぼれば「リング」(1998年)も呪いのビデオテープから貞子が出てきたり、我々の必須アイテムである携帯電話の着信が死の予告になる「着信アリ」(04年)などなど。AR、VRをテーマにした新たなホラー映画の可能性を感じさせてくれる1本です!
☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。