映画監督の山田洋次さんが3日、先月28日に死去した音楽家の坂本龍一さん(享年71)の訃報を受け、コメントを発表した。坂本さんは、吉永小百合と二宮和也が出演した2015年公開の山田監督の映画「母と暮せば」で音楽を担当していた。
山田監督のコメントは以下の通り。
月刊誌に掲載されていた坂本さんの闘病記を、この著者に奇跡が起きて回復するのではないか、ぜひそうあってほしいと祈るような思いで読んでいましたが、それはかないませんでした。
大江健三郎さんに続いて、世界中の人々に敬愛される日本の二人の優れた芸術家―反原発、反核の訴えを市民とともに行動した、たぐいまれなお二人の死を、どれだけ多くの心ある日本人が惜しんでいることだろうか。
「母と暮せば」という映画の作曲者として一緒に仕事をしました。大江さんは著作の中で「DECENCY」(品位、良識などの意味)という言葉をよく使われるが、坂本さんはその意味でDECENTな人柄だったことを今しみじみ追想します。