上方落語協会会長の笑福亭仁智が2日、大阪・なんばグランド花月で、芸歴50周年と古希を記念した独演会を開催した。
1971年に笑福亭仁鶴さん(故人)に入門。2021年が50周年だったが、コロナ下で開催に至らず、昨年8月に70歳になったこともあり、まとめて祝いの会となった。「ボーッとして、アッと気づいたら50年経っていました。実際は52年と2日なんですが」と仁智。「EBI」など創作落語2本を披露し、フィナーレでは「もうちょっとだけ落語、やりますわ」とファンにあいさつ。22〜35歳の時にレギュラーを務めていた読売テレビ「ジャスコ奥さま便利帖」の歴代アシスタントらから花束を贈られると「人間、長いことやっていたら、こんなにうれしいことがあるんですね」と感激した。
仁鶴さんの弟弟子の笑福亭鶴瓶がゲスト出演し、対談した。1年後輩の鶴瓶と昔話に花を咲かせた後、最近の若手について「僕らが25年かかったのを、10年ぐらいで成長している。耳がいいし、勉強会も多い」と褒めたたえた。
また、上方落語界の注目株でABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」の新探偵にも選ばれた女性落語家・桂二葉が鶴瓶の個人事務所に移籍したこともあり、仁智は「二葉さんをぜひとも育ててほしい」と鶴瓶に依頼。鶴瓶は「(二葉は)男として好き」と笑ってうなずいた。
終演後、仁智は「(コロナで)ここ何年かは陰気でしたが、いろいろチャレンジしたい。オモロイ落語をもっと作りたい。吉本(興業)にも漫才、新喜劇、落語を横並びで考えてもらえるよう活動、努力をしていくべき」と改めて意気込みを示した。