タレントのアキラ100%(48)が都内で27日夜、がん個別化治療啓発オンラインセミナー「みんなでみつける、ひとりひとりにあわせた『がん治療』」に参加。2017年の「R―1ぐらんぷり」で優勝する1年ほど前、がんで亡くした父親の闘病生活について語った。
父・日出男さんが肺がんと分かったのは14年の春先。本人はかねて体調の変化を感じていて、かかりつけ医に「胃が悪いのかなぁ」と話していたという。がんと判明した時にはもうステージ4だったため、外科手術はせず薬と放射線治療で経過観察。
「唐突なことでしたし、がんだと分かったこともビックリしたと思うんですけど、ステージがだいぶ進んでいた、また治療方法も限定されてしまってるっていうことは、ウチの母なんかもかなりショックだったと思いますね」
こう振り返るアキラは当時、実家を出て生活しており、日出男さんの入院中や自宅療養中は、極力お見舞いしていたそう。
「ホントは自分が父のことを気遣うような状況なのに、僕もまだまだアルバイト生活もしていた時だったので『お前、ちゃんとご飯食べてんのか?』とか『今どうなんだ?』って逆に心配されちゃって…。そういう意味では、励ましに行くつもりが、僕が励まされてたような状況でしたね」
治療方針は本人と母親、兄で決め「いろいろな方法を自分たちで調べるっていうよりは、先生の提示してくださる治療方法を選んでいった」という。だが、日出男さんは16年1月、帰らぬ人となった。
19年のデータによると、今や男性の3人に2人、女性の2人に1人ががんになる時代だが、同時にがん治療も進んでいる。この日紹介されたのは「がん遺伝子パネル検査」で、一部の検査は保険適用となっている。がんの遺伝子を調べ、その遺伝子変化に応じて薬を使い分けるのだ。
がんを身近で経験しただけに「こういったことがあるんだ、ってのを知ってるってのは、ひとつ僕にとってもすごく勉強になってるなと思いますね」としみじみ。
また「先生にね『他に治療法ないですか?』とか『こういった治療法ってのはどうなんですか?』って、なかなか聞きづらいとこってのはありますよね、実際のところは」とも指摘。隣でナビゲーターを務めた国立がん研究センター・内藤陽一医師は大きくうなずいていた。