歌舞伎俳優松本幸四郎(50)が26日、明治座の創業150周年を記念した「壽祝桜四月大歌舞伎」(4月8〜25日)の合同取材会に、中村梅玉(76)中村又五郎(66)中村芝翫(57)片岡孝太郎(55)片岡愛之助(50)と出席した。
1873年(明6)に創業し、4月に150周年を迎える明治座で、4、5月に2カ月連続で歌舞伎を上演する。
幸四郎は昼の部「大杯觴酒戦強者(おおさかずきしゅせんのつわもの)」、夜の部「絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)」に出演。「昼夜ともに初役ですので、緊張の中でやらせていただくことになります」とあいさつした。
「絵本合法衢」では2役の極悪人を演じるが、又五郎から「幸四郎さんの演じる役が悪い人なんです。本当に悪い人」と紹介されると、きまり悪そうな表情。歌舞伎座三月大歌舞伎「花の御所始末」でも暴君と恐れられる室町幕府6代将軍足利義教を演じており、芝翫からは「幸四郎さんは3月、4月は悪者で。4月もいっぱい殺すでしょう? いじめられるよりいじめる方が気持ちがいいから、さぞかしこの2カ月は気前がいいんじゃないかと思っております」とからかわれた。
幸四郎自身も「悪い人です」と称して笑いを誘うと、「(悪役が続くことについて)なぜなのかは分かりませんけど」。昼の部では義太夫狂言「義経千本桜 鳥居前」、舞踊「お祭り」も上演予定で、「あらゆるジャンルがあることが歌舞伎の特徴。それが凝縮された作品ばかり。花咲く季節に、色とりどりのにおいと色と“悪い人”を楽しんでいただけたら」と呼びかけた。