【ロサンゼルス=渡辺晋】カーペンターズの「
幼少の頃からピアノを学び、10代でジャズに熱中。クラシックの教育も受け、作曲家としての活動を始めた。ドイツ出身の伝説的女優で歌手のマレーネ・ディートリヒのステージでピアノや指揮を担当するなど才能を発揮。1950年代から70年代にかけては、作詞家のハル・デビッドと組んでヒット曲を連発した。
69年の映画「明日に
叙情的なメロディーと美しいハーモニーが特徴。親しみやすい曲でも凝った和音の進行や複雑なリズムで、聴き手に強い印象を残す。陰影豊かなその作品は、世界中の音楽家に多大な影響を与えた。先月亡くなったミュージシャンの高橋幸宏さんが楽曲をカバーするなど、日本にもファンは多く、来日公演では味わい深い歌声を披露した。
2020年には、プロデューサーのダニエル・タシアンさんと組んで作品を発表するなど、90歳を過ぎても活動を続けた。
作曲家、村井邦彦さんの話「20世紀最大のソングライター。最近、虫の知らせか『アルフィー』などの譜面を引っ張り出し、改めて転調のすごさなどに驚かされていたところだった」