「思った以上に浮く」「最後まで強く滑る」「早く息が上がる」現地入りした女子代表が四大陸選手権への感触と抱負語る

四大陸フィギュアスケート選手権が2月10日からアメリカ・コロラドスプリングスで開幕する。

現地に到着し、公式練習を終えた後、今大会への意気込みを女子代表の渡辺倫果、吉田陽菜、千葉百音が語った。

3選手ともこの四大陸選手権は初出場となる。

【渡辺倫果】「明確な目標はないけど、先生を超える5位以内に」

――標高が高いことで低気圧だったり空気抵抗の低さは、ジャンプにどう影響していますか?

思っている以上に浮いてしまったり。そういう意味で今まで普通だったものが普通じゃなくなる状況下の中でやることになるとは思います。あまり気負わず、うまく調整しながらできればいいんじゃないかなと思っています。

――手ごたえのほうは?

今日現地入りして1番良いアクセルが最後2発跳べたので、その点でよかったかなと思っています。ルッツの修正とか、昨日ちょっとトゥループ(3回転ループ+3回転トゥループ)がどうしても少しズレてしまったりとかあったんですけど、そちらの修正も全部できたので、あとは調整に入っていくだけかなと思います。

――今大会に向けては、中庭コーチと何かお話は?
「俺、四大陸ここで(コロラドスプリングス)やって5位だったから」って言われたので。「5位以内を目指したらいいですね。5位以内に入ったら先生を超えますね」って。

目標としては特に明確なのはないですが、本当に自分がやりたい演技をやって、その先に結果だったり点数だったりがついてくると思うので。特に何位以内に入りたいという明確な目標はないですけど、強いて言うなら先生を超える5位以内に入りたいなと思っています。

――四大陸、そしてその先には世界選手権も待っていますが、世界のトップ選手を相手にどのような気持ちで挑んでいきたいですか?

良い意味でも悪い意味でも、特に今シーズンは自分の立ち位置が正直わかっていない中でやる大会がほとんどだった。グランプリシリーズ自体ももともとない中から2戦いただいて、ファイナルに行って、結局ファイナルは6位。

でも最終の一人で入ったファイナルだったので、そこから4位に行けたというのは良かった点じゃないかなと思っています。

オリンピックシーズンの次のシーズンなので、自分も含めて何が起こるか分からないというのが正直なところだと思います。自分自身がちゃんとやってきたことを世界大会でできればいいんじゃないかな。

今回は特にイレギュラーな環境下の中でやる大会になると思うので、本当に本当にどうなるかは分からないです。ただ、自分が今までやってきたことを信じて、イレギュラーなことに対しても対応できる柔軟さというのを大切になってくると思うので、そこを含めて自分の納得いく演技ができればいいんじゃないかなと思っています。

――ショートに向けてはどんな演技をしたいですか?

今のところトリプルアクセルをショートで、ISU大会で成功したのがグランプリファイナルだけなので、まずはアクセルを成功させたい気持ちはあるんですけど。

そこにとらわれすぎずにちゃんと他のアクセル以外のジャンプをきっちりやるべきなんじゃないかなと思うので。ただその中でやっぱり「アクセルは跳びたい」という気持ちはあるので、ノーミスの演技を目指して、あと試合まで1日ないぐらいだと思うんですけど調整に入れればいいんじゃないかなと思います。

――感覚として体が浮きすぎちゃうというのは、どういう感覚でしょう?

滞空時間が長く感じるというか、長くなるという言い方が多分正しいかなとは思うんですけど。いつもだったら例えば0.8秒で降りてくるものが1秒かかるとか。

実際どうかはデータとってないので分からないですけど、感覚としてはそうなる。標高が高い中で回転数の多いジャンプを習得するという方法もあるぐらいなので。ハーネスというのがあって、それを自然の力でやってもらっているという感覚になっています。

――それは今大会は渡辺選手にとってはプラスに働いている?

それこそ普通が普通じゃなくなるのがこの大会だと思うので。何事にもプラスに捉えていかないとダメなので。

特に何事に対してもプラスがあればマイナスもありますし、マイナスがあればプラスもあるので。結局どう考えるかというのが大事になってくるんじゃないかなと思うので、なるべくプラスの方向に考えて。

逆にマイナスがあるなら、それを補える何かがあればいいんじゃないかな。プラスには考えて、アクセルも跳びやすいので本当に。しんどいですけど、逆に力を入れずにジャンプが跳べるという点ではプラスなんじゃないかなとも思う。そこは最後のほうは気合いで乗り越えるしかないですけども、気合いの入れどころを間違えないようにしていけば、うまくハマるんじゃないかなと思っています。

標高が高いので、ジャンプそのものに気合いを入れてしまうと回り過ぎてしまったりとかがあるので、それを前半のほうにやってしまうと後半がもたなくなってしまうといったことも。

特に後半のステップが本当に気合いの入れどころなんじゃないかなと思うので。そこはうまく死に物狂いで、倒れるとは思うんですけどやればいいんじゃないかなと思います。

【吉田陽菜】「やれることはやったと思える練習をしてきた」

――標高の高い会場での練習の感触は?

標高が高いので体力も大変なんですけど、調子は上がってきているので、あとは自信を持って練習してきたことを出すだけかなと思います。

――全日本からこの四大陸に向けて、どんなことを意識して練習してきましたか?

とにかく体力をつける練習をしてきたのと、初めてのチャンピオンシップスなので、すごい選手がたくさんいる中でしっかり自分の実力を発揮できるように自信をつける練習をしてきました。

――「自信をつける練習」というのは、具体的には?

毎日やれること全部やって、曲かけもたくさんかけて、やれることはやってきたと思える練習をしてきました。

――その自信のほどは今いかがですか?

点数とか順位とかの自信はあるかわからないですけど、練習はたくさんしてきたので体力の部分だったりは自信はあります。

――まずはショートプログラム、どんな演技を披露したいですか?

ショートはすごい明るい楽しい曲なので、この初めてのISUチャンピオンシップスで滑っていることを楽しみながら最後まで笑顔で滑りたいです。

――ショート、フリー含め、この大会を通しての目標は?

今シーズンの1番大きな試合なので、今シーズン初めてジュニアグランプリに出場させていただいたり、たくさん新しい経験をさせていただいたので、その経験を生かして精一杯最後まで強く滑り切りたいです。

【千葉百音】「何も恐れずのびのびと練習通りの演技を」

――この会場は低気圧だったり空気の抵抗、どんな影響があると感じていますか?

空気、酸素がちょっと薄いというのも、練習していていつもより早い段階で息が上がってくるので、すごく実感しています。

プラス空気の乾燥などで苦しくなるのに大きく息をしていて、乾燥は体が潤っていればわりと耐えられるので、本番に向けて体が乾燥しないように気をつけてやっていきたいです。

――初出場の四大陸に向けて、全日本からどのようなことを意識して練習してきましたか?

高地でやると苦しくなるというのはわかっていたで、練習でもマスクをして曲かけの練習をしたり、連続でかけたりして、苦しいところでも体が動くようにという練習をしていました。

――ショートプログラム、今どんな気持ちで挑んでいきたい?

ジャンプの調子自体は良くなってきているので、このまま練習通りのジャンプが本番で出し切れたらなと思います。

――今大会を通しての目標は?
シニアでの大きな大会は四大陸選手権が初めてなので、何も恐れずにのびのびと練習通りの演技ができたらなと思います。

――試合において「メンタルのコントロールが非常に大事だ」という話もされていたと思いますが、その辺でどのようなことを意識されて取り組まれていますか?

本番の時に使う自信をどこでつけるのかと言ったら、練習でどんどん良い感覚を積んでいくことしかできないので、とにかく練習でクリーンな演技をして、本番にその意識をつなげたまま本番に臨むというのが、やっぱりメンタル面では1番大事なところだと思います。

 

四大陸選手権には、男子は島田高志郎、佐藤駿、三浦佳生、女子は渡辺倫果、吉田陽菜、千葉百音、ペアは三浦璃来・木原龍一組、アイスダンスは村元哉中・高橋大輔組、小松原美里・小松原尊組が出場する。

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