杉田雷麟、初主演映画で山中での撮影無事願い塩まくも「まいた、その日からパンク」脱輪も相次ぐ

杉田雷麟、初主演映画で山中での撮影無事願い塩まくも「まいた、その日からパンク」脱輪も相次ぐ

映画「山歌」初日舞台あいさつに登壇した杉田雷麟(撮影・村上幸将)

(日刊スポーツ)

杉田雷麟(19)が22日、東京・テアトル新宿で行われた初主演映画「山歌」初日舞台あいさつで、撮影中に脱輪とパンクが相次いだとボヤいた笹谷遼平監督に対し、厄よけのために塩をまいたクランクイン当日からパンクしたと突っ込み、会場を笑わせた。

「山歌」は、笹谷監督が第18回伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞を受賞した「黄金」(旧題)を映画化した自身初の長編劇映画で、かつて日本の山々にいた、財産も戸籍も持たず、自然の恵みを一身に浴びて生きた流浪の民・山窩(サンカ)を描いた物語。杉田は中学生の則夫、杉田とともに登壇した小向なる(21)は山窩の娘ハナ、ハナの父で一家の長・省三を渋川清彦(47)が演じた。

撮影は19年7月20日から、群馬県中之条町で2週間、行われた。杉田は「天気予報が当てにならず1日1回、雨が降り、セットが増水で流された。中断…またかよという感じが後半、山と(自分自身が)同化して、逆に恵みをもらっていると思えた」と振り返った。小向は「走ってケガしたことが多いのが過酷。傷が出来てしまうので、メイクさんと隠す。傷だらけになった足も消してもらって撮影に挑みました」と続いた。笹谷監督も「脱輪とパンクが、とにかく多くて」と振り返った。

すると、杉田は、すかさず「監督が最初に『何も起きないように』って塩をまいた、その日からパンクしましていましたよね」と笑いながら突っ込んだ。笹谷監督は「クランクインの日に、塩をまいてロケの準備で車で山道を行ったらパンク。圏外で、あと1時間半で撮影が始まるタイミング。たまたまスペアタイヤがあったから、汗だくになって、ほうほうの体で帰ってきた」と苦笑した。

「山歌」は1965年(昭40)が受験勉強のため東京から祖母の家がある山奥の田舎に来た則夫(杉田)が、父と祖母の圧力を受けて勉強を強いられる中、近所の山に入る。そこで漂泊の旅を続ける山窩の一家の長・省三(渋川)と娘で野性味あふれる心優しいハナ(小向)と出会い、交流を持ち、蛇やイワナを捕って食べる体験を通し生きることを体験する。一家が特別な存在となっていく一方、一家が山での生活を続けられない状況に追い込まれている加害者の1人が自分だと知り、ある事件を起こす。

杉田は撮影を通して自分が変わった点は? と聞かれ「映画の中で動物だったり、命をいただくシーンが多くなる。撮影を通し、常日ごろ、ご飯を食べる時、そんなに実感することはないので、命をいただいていると感じました」と口にした。小向も「ある意味、大人になってくると身の回りの自然のありがたみとか、実は意識していないものに生かされていることに気付かなくなる。私も作品を通して撮影で、横を、どこを見ても緑という環境に、生かされているんだということに改めて気付かされた。これからの人生にも大事な気付きだと思っています」と感謝した。

杉田は、舞台あいさつの最後に「僕(が演じる役)の心情の変化、人との関わりはもちろんですけど、生きもの、情景、自然そのものをきれいに撮っているので、感じ取ることが出来るものが、少なからずあると思っていて」とアピールした。

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