女優の松下奈緒(37)が25日、上野の東京都美術館を訪れ、開催を翌日に控えた「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展」(4月9日まで)を内覧した。
19世紀末ウィーンで生まれたエゴン・シーレは、孤独と苦悩を抱え、ときに暴力的なまでの表現で人間の内面や性を生々しく描き出し、わずか28年で生涯を終えた。松下は2017年に、シーレ作品を多く所蔵するオーストリア・レオポルド美術館を訪問。当時は作品を見て「一度見ただけでは理解するのがなかなか難しい、ハードルの高い絵だな」という印象をもったという。
6年ぶりの〝再会〟を果たし、松下は「今、ドッと疲れがきますよね。自分の生きている今のパワーを全部シーレに吸い取られたかのような、そういう気持ちで今(展示室から)出てきたので、世界が軽く見えますね」とコメント。
シーレ最大の魅力を聞かれると、彼自身の内面も含め「ひと筋縄でいかなかった人なんだろうな」という点を挙げた。「すごくやみつきになる、クセになる、そんな絵が多いので、たぶん彼自身もそういう人だったのかなというふうに思いますね」
一番のお気に入りは、ポスターにも使われている油彩「ほおずきの実のある自画像」だそう。「一番シーレの中の絵では、色味が好き。白とオレンジのこのほおずきと、顔も一色ではない…。シーレにはこういうふうに肌が見えてたんだろうなと思えるような。で、目線ですね。ちょっと上から目線なのか、何を思ってるか分からない瞳がすごく好きで…」
松下は短時間でシーレの魅力を語り尽くした。