小児がん支援のためのポップス&オーケストラの音楽祭典「TOKYO SYMPHONIC WAVE 2022」が21日、東京・上野の東京文化会館大ホールで2000人を集めて開かれた。ASKA(64)タケカワユキヒデ(69)八神純子(64)幸田浩子(51)尾崎裕哉(32)らが出演。音楽の素晴らしさと小児がんへの支援を訴えた。
トップバッターで登場した八神は「みずいろの雨」「Mr.ブルー〜私の地球〜」「パープルタウン」を熱唱。京都フィルハーモニー室内合奏団特別交響楽団のオーケストラを従えての歌唱に「オーケストラは大好き。逃げ出したいくらいのスリルがある。この会場は楽屋のコンクリートの壁や柱に、今までここで演奏した方々のサインが書いてある。それに手を当てて大きな気に変えました。小児がんを支援してくれている人たちを歌の力で応援できたら」と話した。
タケカワは「ガンダーラ」「銀河鉄道999」「ビューティフルネーム」を披露。「もう、最高ですね。オーケストラで歌うと、もうどうしたらいいんだろうと言うくらい気持ちがいい。昨日、この裏にある上野動物園に孫と遊びに来ました。30年ぶりでしたが、動物園は非常に良かったですね」と笑顔を見せた。
ソプラノ歌手の幸田は「アヴェ・マリア」「オペラ『椿姫』」で透き通るような美声を披露。「子供たちの未来のために思いを届けられるのを幸せに思います」と話した。
尾崎は、92年に亡くなった父尾崎豊さん(享年26)の「I LOVE YOU」、そしてコロナ禍の状況で自作した「Lighter」を熱唱。「『I LOVE YOU』を歌ったほうがいいと、ASKAさんが背中を押してくれました。音楽が持つ楽しさ、癒やされる効果を皆さんに体感していただけたら」と話した。
トリで登場したASKAは「PRIDE」「君が愛を語れ」、そして横浜少女少年合唱団を従えて「歌になりたい」を熱唱。「歌に−」では出だしを間違えて「ゴメン」と謝ってやりなおし。アンコールではCHAGE and ASKA時代の91年のヒット曲「SAY YES」を披露して、大きな拍手を浴びた。
ミスについて「いつも慣れてるから(笑い)。バンドの方を向いてゴメンって言えば大丈夫」と振り返った。「SAY YES」を歌ったことについては「タケカワさんから『僕も銀河鉄道999を歌うんだから』と命令されて歌いました。この年になるとどこに行っても最年長なんだけど、自分より年上の人に言われたらやるしない」と笑った。
チャリティーについては「89年にロンドンに移り住んだ時に、あちらのミュージシャンがチャリティーのライブをちゅうちょなくやっているのに驚いた。日本では“売名”とか言われて、なんとなく避けられていた。これを日本でなぜできないだろうと思ったのがきっかけ。これからもやって行きたい」と話した。
京都フィルハーモニー室内合奏団特別交響楽団の指揮者の柳澤寿男(50)は「ここ数年、コロナ禍や紛争で人と人が会うことが出来ない中で、空気を共有したり喜びを発信することが出来ました」と振り返った。
「TOKYO SYMPHONIC WAVE 2022」は、小児がん患者支援のために2000人を無料招待。会場内で集まった募金は全額、ゴールドリボン基金に寄付される。6月1日から7日まで配信される。配信視聴チケットは5月25日から発売。