上方落語協会は16日、上方落語の定席「天満天神繁昌亭」(大阪市北区)などで活躍した入門25年以下の落語家に贈る「第17回繁昌亭大賞」に、桂二葉(によう)さん(36)を選んだと発表した。入門12年目での大賞受賞は最速。二葉さんは平成23年、桂米二さんに入門。令和3年度NHK新人落語大賞を女性で初めて受賞し話題になると、繁昌亭で今年1〜2月に開かれた受賞記念の昼席では7日間で延べ約千人、オンライン配信でも延べ約560人を動員した。古典落語の実力に加え、高い人気と集客力が評価された。
二葉さんは「繁昌亭でトリをとるときは『満席にしないと』という気持ちを持つようになりました。精いっぱい面白い落語をしてたくさんのお客さんに聴いてもらいたい」と喜んだ。
「奨励賞」は心を打つ実話を元にした「ノンフィクション落語」という新ジャンルを切り開いた笑福亭鉄瓶(てっぺい)さん(44)が受賞した。
今年新設された入門15年以下の若手が対象の「新人賞」には、斬新な新作落語で人気急上昇中の桂三実(さんみ)さん(29)が選ばれた。
上方落語協会の笑福亭仁智会長は「二葉が新人賞かと思ったら飛び越えて大賞をとった。協会としてはコロナ禍で3年間守勢だったが、来年からは攻勢に出る。この3人を先頭に頑張ってもらいたい」とエールを送った。