同作は、第二次世界大戦終了後、シベリアの強制収容所「ラーゲリ」に不当に抑留され捕虜となった主人公・山本幡男が、わずかな食糧で過酷な労働を強いられるなど誰もが絶望するような残酷な状況下において、生きることへの希望を捨てず、仲間たちを励まし続け、ともに乗り越えるまでを描いた作品。山本役を二宮が演じ、山本の妻のモジミを北川景子、山本と同じく抑留者となった男たちを松坂桃李、中島健人、桐谷健太、安田顕らが熱演する。
配布される素材は約15分間の映像。「映画に出演して、みなさんに伝えたい戦争の歴史があるということを強く感じました」と二宮のナレーションからスタート。平和祈念展示資料館に展示されている、抑留者が実際に着用していた衣服や、ラーゲリを再現した模型の展示などと共に二宮が「シベリア抑留」について概要を説明し、「戦争や平和について考えてみませんか」と問いかける。
その後、本作の映像を使用し、「戦争の終わりとシベリア抑留」「ラーゲリ(収容所)での生活」「家族への想い〜帰国」といった大きく3つの項目に分け、歴史上の事実を集約。当時の抑留者たちが不当に受けた苦しみ、あまりに過酷な環境に希望が見いだせず絶望する姿。さらに抑留者だけではなく、日本で帰国を待ち続ける家族の懸命な姿も描かれている。
ダモイ(帰国)までに及ぶ長い闘いの事実を、胸を鷲掴みにされる本作の映像と共に紡ぐ。最後には「この映像を観て、どんなことが心に残りましたか?みなさんが感じたことや、調べたことを誰かに伝えてみませんか?」と二宮が学生たちに自ら発信していくように投げかけ、「歴史上の事実を知ってほしい」という熱い想いの詰まった教材DVDとなっている。
このDVDは「シベリア抑留」について数多くの展示を行っている「平和祈念展示資料館」「舞鶴引揚記念館」協力のもと、全国約1500校の中学校・高校に順次申し込み案内を配布。来年度からは平和祈念展示資料館(総務省委託)が案内を継続する予定となっている。